電話交換手、バスガール・・・かつてあった職業が技術の進歩により姿を消すということは近年を振り返ってもよくあることです。そして、近い将来、「コンビニ店員」という仕事がなくなってしまうかもしれない。大手コンビニ5社がそんな未来を予想させる決定を下しました。
この記事によると、経済産業省と共同で発表する「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」のもと、2025年までに大手5社のコンビニで取り扱う全ての商品にICタグを張り付けるそうです。これによってコンビニで買い物をする消費者は、商品をかごや袋に入れたまま、読み取り台に置くだけで会計ができるようになるそうです。
この技術をコンビニ各社が導入することで、アルバイト求人倍率が2.8倍と高止まりしたままの人材不足を解決できるなら、まさに科学技術が社会の問題を解決していく姿そのものだと思います。気になるのはコンビニ各社が「店員を全く置かない無人店舗の設置も進めていく」というところです。
わたしはコンビニでアルバイトをしています。そこで感じるのは「コンビニ店員というのは、単なるモノの販売員ではない」ということです。観光客に道案内をすることもあるし、トイレの場所を教えることもあります。店員と雑談することを楽しみに店に来る常連客もいらっしゃいます。
コンビニエンスストアは「ものを買う場所」以外の役割を担っていることも事実です。だから、「もしコンビニから店員がいなくなってしまったら、そのような光景はもう見られなくなってしまう」。そう考えると少し寂しくもあります。
しかし、もしかしたらコンビニが無人化することで従来とは違った価値を提供する場所になるのかもしれません。レジから解放されることで、違った業種とのコラボレーションが容易になるのではないでしょうか。新時代のコンビニがどのように進化していくのかを見守っていきたいと思います。
参考記事
18日付 日本経済新聞朝刊(京都14版) 1面「全コンビニに無人レジ」