高校生7人が亡くなった痛ましい事故から1週間が経ちました。
講習会に参加していた引率教諭が雪崩を予見できたかできなかったかに焦点があてられ、調査が進められています。雪山登山に明確な安全基準はないため、重要なものは「現場の判断」だそうです。今回の事故では、登山歴20年超のベテランの教諭3人がラッセル訓練を行うことを決定しました。
しかし、雪崩注意報が発令されていたこと、現場は雪崩危険箇所に指定されていたことなど、「経験則」に頼り過ぎたために見落とされていたのではないかと思われる事実もわかってきています。また、雪崩にあった時の対処法を生徒に教えていなかったとも報じられています。
私は、ボート部に所属してから、「事故」や「安全」といった話題に敏感になっています。
ボートは基本的には安全なスポーツですが、川という自然の中で練習するため、やはり危険はつきものです。そこで、「安全確保への取り組み書」というものがあり、水温や川の流れの速さ、霧の有無や雷が鳴った場合などあらゆる自然条件への対応が書かれていて、安全には特に配慮されています。また、川に落ちた時の対処法を入部してすぐに教えられます。このように、組織として安全を確保するだけでなく、自分を守る術を身につけることも欠かせません。
今回の事故でも、口の周りの雪を食べて呼吸する空間を作り助かった生徒がいたそうです。
団体旅行や自然体験のツアーなどでは、添乗員やガイドに頼りがちです。もちろん、組織として安全を確保することは必要不可欠なことではありますが、想定外の事態の発生など限界はあります。事故は誰の身にも起こりうることです。「もしも」の時に備えて、個人個人で自分の身を守る術を身につけることの重要さを再認識しています。
3日付 朝日新聞朝刊(京都14版)1面「雪崩生き埋め 口の周りの雪食べ呼吸」
3日付 読売新聞朝刊(京都14版)33面「栃木事故1週間」