筆者の高校3年間の思い出は、部活動でした。空手道部に所属し、監督や先輩から指導をしてもらい、同級生と切磋琢磨していました。印象に残っている先輩からの言葉があります。「彼女をつくれ」です。自分のことを思ってくれている人にかっこいいところを見せたいという思いから、練習を一生懸命に行い、試合でも力を十分に発揮できるというのです。
そんな不純な思いで、甲子園に立つ高校球児はいないかもしれませんが、ともに厳しい練習を乗り越えた仲間と夢のグラウンドに立てたことを喜んでいる高校生は多いのではないでしょうか。
19日から開幕する選抜高校野球大会。その甲子園練習が14日から始まりました。今大会から女子部員の参加が認められるようになりました。今日の朝刊各紙には、真剣なまなざしでボールを渡したり、優しい表情で選手を見守ったりする女子マネージャーの写真が掲載されています。
女子部員も練習に参加できるようなった背景には、昨年の夏の甲子園で練習の補助に入った女子部員が制止された問題がありました。日本高校野球連盟(高野連)は当初、安全面から危険だとして参加について難色を示していました。しかし、「女子部員もチームの一員」の声もあり、実現しました。
高野連の竹中雅彦事務局長は「女子マネージャーの表情を見て、解禁は正解だったと思った。今後も状況を見ながら(条件緩和など)女子の参加について考えていきたい」と前向きな思いを話しました。
この条件緩和の流れを止めないためにも、大会運営側はもちろんのこと、女子、男子部員や監督も十分に安全面に配慮した大会になってほしいものです。全力でプレーするすべての部員に注目です。
参考記事
3月15日付 朝日新聞13版19面「目の前に甲子園の土。うれしかった」
3月15日付 読売新聞13版38面「女子マネ 憧れの甲子園練習」
3月15日付 日本経済新聞13版43面