国会の「男女均等」有権者も意識を

 国会議員や自分の街の地方議員は選挙で選ばれます。皆さんの選ぶ「決めて」は何ですか?「自分の意見に近いことを政策に掲げているか」や「支持政党の議員か」、「情熱とやる気」、「親近感」などと、いろいろな理由に分かれると思います。しかしながら、その根っこに流れているのは「この候補者を自分の代わり身として議会に送りたいか」ということではないでしょうか。

 一人として同じ人がいないように、議員にもなるべく多様性が欲しいものです。多様性のひとつに「男女」という見方があります。しかし理想の男女均等とは、かけ離れているのが日本の現状です。日本の国会議員に占める女性の割合は衆院9.3%、参院20.7%。列国議会同盟が1月に公表した各国下院(日本は衆院)議員の女性の割合では、日本は193か国中163位にとどまっています。

 このような現状をただし、少しでも男女のパワーバランスが均等になるように、政党に努力を求める法案が今国会で成立する見通しになりました。その名も「政治分野における男女共同参画推進法案」。衆参両院と地方議会の選挙で「男女の候補者の数ができる限り均等となることを目指す」と規定されます。努力義務で罰則がないとはいえ、選挙のたびに政党は女性候補の比率を問われることになり、有権者の判断材料になりそうです。 

 自民党幹部の一人は「優秀な女性はいっぱいいる。女性候補を増やす努力はきちんとしていかなければならない」と語っているといいます。今国会中には、全会一致で成立予定のこの法案。これからの選挙で、女性候補の姿を多くなる日も遠くないかもしれません。

 今回は、議会が主導で男女の均等を図りました。しかし、大事なことは「誰が選ばれるか」でもあると思います。そして、候補者を選ぶのは有権者です。総務省選挙部が今年1月に発表した『目で見る投票率』を開くと、男女の投票率の関係は、昭和中ごろから平成10年代ごろまでは女性が上回っていましたが、最近は男性のほうが優勢です。直近の昨年の参院選挙では、男性が55.13%なのに対し、女性は54.30%と男性が女性を少し上回っています。これから、候補者は徐々に男女均等が進められていく見通しです。では有権者はどうでしょうか。有権者を阻む性別の差はとうの昔になくなりました。あとは有権者私たちの投票次第なのです。

参考記事:24日付朝日新聞朝刊(東京13)1面「候補者数『男女均等』に」

平成291月、総務省選挙部「目で見る投票率」