変化を恐れない、「U25」

 特定の職種や肩書にこだわることが、いかに小さい事であるかを教えてくれているかのようです。「U25」と呼ばれる若い世代の起業家たちが、今大きな期待を集めています。本日の投稿は、日経新聞の記事「U25起業家 回り道が糧」に注目します。

 20代前半の起業家は、「U25」、もしくは1992年前後に生まれたことから「92(キュウニ)世代」と呼ばれています。スマートフォンを使いこなし、合併や買収まで選択肢とする、柔軟で素早い経営が特徴です。記事は、料理動画アプリ・アプリの脆弱性診断・賃貸物件の民泊としての利用、という3分野で活躍するU25の起業家を紹介していました。

 記事を読んで驚いたのは、起業家たちが変化を恐れないことです。VSbias(ブイエスバイアス、東京・新宿)の留田紫雲社長(22)の最初のビジネスは、iPhoneの収納ケースを作って販売することでした。大学入学後はウェブによる集客を学び、個人で不動産会社の集客支援を始めます。さらに事業を加速させるため、インターン先の企業の子会社となりました。彼が最初のビジネスに手を付けたのは18歳の時です。とても4年間の遍歴とは思えません。

 U25起業家の活躍の背景には、「大企業も安泰ではない」という意識があると、記事は分析しています。

スマホ文化に浸りきったことに加え、学生時代に東日本大震災震災や中国の急激な台頭、リーマンショックなどの出来事を体験。「大企業も安泰ではない」といった意識が芽生え、チャレンジ志向が強いといわれる。

長く日本を代表してきたような有名企業であっても、不正や買収のニュースを耳にするようになりました。王道からそれることをいとわない姿勢は、ますます顕著になっていくのではないでしょうか。

 記事に登場するU25起業家たちは、1年後には全く違うビジネスに携わっているかもしれません。枠にとらわれない活躍に、同世代として胸が熱くなりました。

参考記事:
2017年1月23日付 日本経済新聞朝刊13版 11面『U25起業家 回り道が糧』