Facebookでトランプ氏をフォローしています。「今度はトヨタ批判か」「メディア批判か」。リアルタイムで流れてくるタイムラインのつぶやきには、いつも驚きます。今朝Facebookを開くと、”INAUGURATION COUNTDOWN 8 DAYS”の文字が。ついに、大統領就任まで残り1週間ほどとなりました。第45代米大統領の誕生まであと少しです。
そんなトランプ氏が現地時間11日、大統領選後初めての記者会見を開きました。中国による南シナ海での軍事拠点化を批判し、日本、メキシコなどとの貿易赤字を問題視する姿勢を示しました。とりわけ、安全保障面で中国へのけん制を強めています。また、「会見をやめていたのは、非常に多くの不正確なニュースがあるからだ」とメディア批判も繰り返しました。会見では政治信念や具体的な政策ではなく、メディア批判に時間を割きました。
日米間の経済関係も懸念されます。会見では、日本と中国を名指しして米国の貿易赤字に強い不満を示しています。海外に工場を移す企業には「国境税を課す」とし、自動車大手など個別企業と直接交渉して「雇用を増やす」と力説しました。年始早々、Twitterでトヨタ自動車のメキシコでの新工場計画を批判したり、自動車最大手のゼネラル・モーターズなどを批判したりしてきました。トヨタ批判後の、豊田社長の「米経済へのアピールぶり」からも分かるように、まるでトランプ氏が「王様」であるかのような印象を受けました。戦々恐々としているのは、もはや自動車業界だけではないはずです。
注意すべきなのは「まだ具体的政策が明らかになっていない」点と、記者会見での態度だと思います。トランプ氏が演壇に登ると、記者団を取り囲むように拍手喝采を送る役回りのスタッフが集まったようです。また、自分の気に入らないメディアの記者の質問には答えないなど、「自分中心」である様子が伺えます。自らにとって都合の良いように物事を運ぶ。そんな印象を受けます。
強引な方法で人々をひきつけ、米国内での雇用の創出や経済の立て直しをしたとしても、真の意味での「偉大なアメリカ」の像はもはやどこにもないのかもしれない。”#MAGA”(Make America Great Again)は果たして実現されるのだろうか、と考えさせられました。
トランプ氏のFacebookページ。「#MAGA」は、まるで合言葉のように使われている。(13日閲覧)
参考記事:
13日付 「トランプ氏会見」各紙関連面