2018年に卒業予定の学生である私は、業界研究や企業研究に取り組む毎日を過ごしています。登録した就職関連サイトから毎日のように合同説明会の案内が届きます。そんなときにふと思ったのです。「女子限定マナー講座はあるけど、男子限定はあまり見かけないな」と。より多くの女子学生に就職してもらうために企業がさまざまなイベントを開催しています。
企業だけではなく、大学も女子生徒を増やすための準備をしています。その動きの一つに、東京大学による「女子学生への家賃補助」があります。さまざまな声が寄せられているようです。今朝の朝日新聞で紹介されていました。
東大がキャンパス周辺に安全性や耐震性の高い部屋を100室ほど確保し、入居した女子学生に月3万円の家賃を補助する。
対象は自宅から90分以上かかる女子学生。最長2年間支給。保護者の所得制限はつけない。
歓迎できる点として、補助制度により地方に住む女子が、東京にある大学へ進学することに反対する親へのメッセージになることを指摘しています。大学が女子生徒を歓迎していることをアピールし、親の理解を促すねらいがあるのでしょう。
東大の女子学生の割合は2割未満。たしかに女子が少なく、東大の取り組みは理解できます。もしも私が地方に住む高校生だったら制度に感謝すると思います。しかし、どうして女性だけなのか疑問です。男女共同参画社会基本法での「ポジティブ・アクション(積極的改善措置)」と認められることもわかります。ですが、地方の学生が東京への進学を諦めてしまうという問題は性別を問わずつきまとうものです。金銭的な問題で進学を諦めてしまいそうな学生への支援策はないのでしょうか。
制度を歓迎するもう一つの理由として、女子が安全に暮らせる住居へのニーズがあります。でも、そんな要望に応えるのなら、今まで以上に女子学生への住宅紹介のサポートをすればいいのではないでしょうか。
立場によって、さまざまな意見がでる問題だと思います。異論反論があるなかで、思い切った決断で始める制度であるはず。それでも女子学生を集めたいという大学側の切実な思いがあるのでしょう。地方の受験生や家族に受け入れられる制度になるためにも、実施した後でも受験生や大学生、保護者の声に耳を傾けてほしいものです。
12月26日付け 朝日新聞(東京14版)35面 「東大の家賃補助 女子限定のワケ」