正当な次期大統領

 「トランプ大統領という「怪物」を生み出したのはメディアだった。」

  本日の朝日新聞では、アメリカメディアがトランプ氏の勝利を予測できなかったアメリカメディアについて、上記の出だしから始まっています。

  先日行われたアメリカ大統領選挙。連日報道されていたトランプ氏の発言はとても攻撃的な内容ばかりで、とても大領領になる器ではないという印象を抱いていました。ですが、当日の朝テレビをつけてみると、トランプ氏が優勢と報道されていました。

  政治家としての経験が全くなく、過激な発言を繰り返し、女性蔑視発言まであったのにもかかわらず、見事選挙戦を制しました。日本の新聞は、この予想外のニュースを連日大きく取り扱っています。そのほとんどが、今後の不安であったり、今までの報道体制であったりと、悲観的な内容ばかりで、「怪物」と表現する記事まで出てきました。一方で、彼を期待する内容はあまり見受けられません。

  ですが、大国アメリカの国民は彼を選んだのです。理由は様々でしょうが、選挙で選ぶという民主主義としてのプロセスをしっかり踏んで選ばれた次期大統領です。アメリカメディアは今までの偏った報道を反省し、ニューヨークタイムズ紙に至っては公正な報道ができなかったことに対しての読者へ謝罪する記事の掲載までしています。

  日本にとっては、発言内容を考えると今まで通りの外交とはいかないのかもしれません。特に安全保障やTPPなど、国の今後を考えるうえで大きな争点が変わることが予測されています。それでも日本の一番の関係国であり、世界で最も影響力のある国です。日本のメディアも今後の情勢がどうなっていくか、もう少し冷静になって、中立的な報道をすべきではないでしょうか。

参考記事:
朝日新聞 15日付 朝刊「既存メディア、問われる役割 トランプ氏という「怪物」を生み出し、その本人に「既得権層」と敵視された」
The New York Times 「To our readers, from the Publisher and Executive Editor」