初めて基本的人権の宣言をしたマグナカルタ。初めて生存権という考えを取り入れたワイマール憲法。今の人権や生存権という考え方と少し違う部分もありますが、これらの考え方は日本国憲法にもしっかりと刻まれています。普段意識することがないこれらの権利ですが、世界をみるとみな平等に持っているものではないのです。
今日の夕刊各紙。1面で移民・難民をテーマにした国連サミットの成果について報じています。その場では、安倍首相が難民や、その受け入れ国の支援のために3年間で28億ドル、日本円にして2800億円を拠出することを表明しました。また国連では「難民と移民のためのニューヨーク宣言」を採択しました。
国連の発表では、シリアやアフリカの紛争が長期戦となった結果世界で6500万人に達し、第二次世界大戦後最も深刻な状況となっています。一方で、難民をどの国が受け入れるかといった枠組みが国際的に決まっているわけでもなく、一部の国が負担しています。現に、日本は2014年度では5000人の難民申請に対して11人しか認定していません。人道的な理由に配慮し、在留を認めた人も110人いますが、少ないと言わざるを得ません。
今回のNY宣言では具体策や数値目標は一切なく、理想を掲げるにとどまった印象です。実際に人権団体などからは不満の声が上がっています。ただ、今回の採択によって、この問題が「海外で起きていること」ではなくなりました。日本も対応していく責務があります。日本国憲法を制定したときに掲げた「人が人として生きる権利」を保障していこうという理想。グローバル化が叫ばれる今、この理想も世界に目を向けて行ってほしいものです。
参考記事:
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