中高で6年間英語を勉強したのに、英会話ができない。そんな歯がゆさに何年も向き合っています。それだけに文部科学省の作成した新しい学習指導要領をみると「いやいやどうせ小学校からはじめても意味はない」と思ってしまうのです。そんな筆者は無料学習支援で小中高生の勉強をサポートしています。思いを隠しつつボランティア先の中高校生に質問を投げかけました。
「小学校3年から英語を勉強し始めるとしたらどう?」
すると意外にも好反応がかえってきたのです。音楽や日常会話を使った勉強ならしてみたい、と嬉しそう。中学から始めると文法ばかりでつまらない。もちろん、英語が必要なことは理解しているけど、勉強は進まない。そんな愚痴もはいていました。確かに一緒に中学の英語を教えているとつい丸暗記の学習に追い込みがち。「どうして勉強するの」なんて声もちらほら聞こえてきます。
キラキラした子ども達の目を見ていると自分がなんだか恥ずかしく思えてきました。勉強を教える私が子どもたちの「学びたい」をつぶしてはいないか。いつしか「話せない」「聞けない」を教育のせいだと固定観念を持っていました。真っ向から反対ではないですが、その成果に懐疑的だったのです。言われてみると、確かにKポップが好きな女の子(小学6年生)は独学で勉強し、韓国出身のボランティアと片言でも会話を楽しんでいます。本人たちに聞きもしないで、決め付けるのは間違っていました。
小学校から英語をスタートさせるからと言って流ちょうに話せるとは限りません。それでも学ぶ楽しさを引き出すには、今回の取り組みは望ましいのかもしれませんね。新要領では議論や発表を通じて生徒が主体的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」も本格化します。学校での学びをきっかけに「もっと知りたい」「使ってみたい」という思える学びの機会が増え、学習意欲が高まり、知識の吸収がさらに進む。やるからには、そんな好循環を作ってほしいものです。
参考記事:
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