「弱点は、どこ?」知る議論も深めよう

響き渡る蝉 の声、春学期も最終盤。もうじき、学生にとって憂鬱な「テスト期間」に入ります。テストといえば、高校生の頃、先生によく言われた言葉があります。

 「自分ができたところよりも、できなかったところを知ることが大切」。

10日に投開票を終えた参院選。憲法学者の木村草太さんは、「3年ごとに議員の半数を選び直す参院選は、政治がうまくいっているかを国民が評価する『中間テスト』の意味を持つ」と話します。その結果は、自民・公明の与党が計70議席を獲得。安倍首相が掲げた改選過半数61という目標は達成されました。

32の「1人区」を見ると、自民が21勝。6割超えの勝利を果たしました。では、非自民が当選した11の地域は、どこでしょうか。青森、岩手、宮城、山形、福島、山梨、新潟、長野、三重、大分、そして沖縄です。被災地、農業が盛んな地域、そして基地問題に揺れる島。その地域の特色を頭に浮かべると、圧勝した与党も「なぜ、負けたのか」深く考える必要があるでしょう。

とりわけ、自民党所属の参議院議員で「沖縄・北方担当大臣」を務める島尻安伊子氏が沖縄で落選したことは、重く受け止めるべき事実です。野党統一候補となった、無所属で元宜野湾市長の伊波洋一氏が当選しました。伊波氏は「アメリカ軍普天間飛行場の辺野古移設反対」を訴え、翁長雄志知事の支援を受けてきました。翁長知事も、「これで、一昨年の衆院選から、今年の沖縄県議選、そして参議院選挙で沖縄の民意が示された。新辺野古基地は絶対につくらせない」と語ります。

沖縄のみならず、与党落選地域の「今の政治に対する国民の声」をしっかり汲み取ることが重要です。改憲議論が盛んですが、選挙の結果をめぐる各紙の「伝え方」にも注目したいと思います。「テストは、できなかったところを知ることが大切」。先生の言葉を思い出しながら。

 

参考記事:

12日付 各紙「参院選」関連面

 

関連資料:

7月11日付THE HUFFINGTON POST 日本版 島尻安伊子・沖縄担当相が落選 辺野古移設で翁長知事「民意が示された」(12日閲覧)