5月29日、5年前に東京都豊島区東池袋で起きた暴走事故の遺族と飯塚幸三受刑者が初めて面会しました。事故当時31歳だった妻・真菜さんと3歳の娘・莉子ちゃんを失った松永拓也さんは、真菜さんの父親上原義教さんとともに刑務所を訪れました。45分間の面会の中で松永さんが「世の中の高齢者やその家族に伝えたいことはありますか」と質問したのに対し、飯塚受刑者は「早く免許を返すように伝えてください」と言ったといいます。事故が起きた時、筆者は中学生でしたが当時の報道をよく覚えています。池袋暴走事故が起きてから高齢者の危険運転が社会で注目されるようになったとも思います。
2022年の交通事故の件数は30万件に達しています。その中で死亡事故は約2500件です(令和5年版 犯罪被害者白書)。年々件数は減ってきていますが、毎年これだけの事故が全国で起き、犠牲者が出ているということです。
21年12月には埼玉県草加市で酒に酔った大学生と専門学生6人が乗るワゴン車が縁石を乗り上げ、標識に衝突する事故が起きました。車に乗っていたのは18歳から20歳の男女で中には頭を強く打ち亡くなった人もいます。幸い事故当時に歩行者はいませんでしたが、部品は数十メートルにわたり散乱し、ボンネットからエンジンが飛び出すほどでした。
大学生になると夏休みなどに友達とドライブに出かけることもあるでしょう。しかし、免許を取り立てのドライバーは運転技術が未熟なため事故を起こす危険度が高くなっています。初心者だからこそ慎重に運転する必要があると思います。警視庁は交通事故を防止するために「安全運転5則」を定めています。
一つ目は安全速度を必ず守ることです。これは法定速度と安全速度は一致しないということです。悪天候時など状況に応じて安全を保てる速度は変わってきます。
二つ目はカーブの手前でスピードを落とすということです。速度を出しすぎていると曲がり切れなくなり事故のリスクが高まります。
三つめは交差点では必ず安全を確かめるということです。交差点には多くの死角があり、自転車や歩行者が行き交うので注意が必要です。
四つ目は一時停止を心掛けて横断歩行者の安全を守ることです。横断歩道のあるところでは減速し、歩行者の通行を優先させる必要があります。
五つ目は飲酒運転を絶対にしないことです。酒を飲むと運転に必要な情報処理能力や注意力、判断力を低下させてしまいます。成人を迎えた学生は特に注意が必要だと思います。
近年では高齢者ドライバーによる事故が絶えず社会問題になっています。自動車はとても便利なものですが運転を誤れば大きな凶器になります。死に至らなかったとしても後遺症がのこり今までと同じ生活が送れなくなりかねません。筆者はまだ免許を取得していませんが、周りの学生の多くは取っています。中には最近車を購入した友達もいます。免許を取得したら悲惨な事故を引き起こすことがないよう安全運転を徹底します。
参考資料:
2021年埼玉新聞「ドカーン!驚き…事故で大破した車、中には酒気帯び大学生」(https://www.saitama-np.co.jp/articles/10768)
警視庁 令和5年版 犯罪被害者白書
(https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/whitepaper/2023/zenbun/siryo/siryo-12.html)
参考記事:
5月29日付朝日新聞デジタル「受刑者が唯一語った言葉に、遺族は前を向いた 池袋暴走事故で初面会」
(https://www.asahi.com/articles/ASS5Y3SQMS5YUTIL03JM.html)