6月に決定した「こども未来戦略方針」で24年度から返済不要の「給付型奨学金」と授業料減免の対象を多子世帯や理工農系の中間層に拡大するとすでに決定されています。さらに、「異次元の少子化政策」をめぐり、政府は3人以上の子どもがいる多子世帯について、2025年度から子どもの大学授業料などを無償化する方針を固めました。所得制限は設けられていません。三人兄弟の私にとっては、非常にインパクトの大きいニュースでした。公立大学三年の私、私立大学二年の妹、中学二年の弟。私も妹も就学支援は受けておらず、両親は毎年200万円近くもの大学授業料を納めています。
高等教育費の負担は大きく、2人以上の子どもを持つことをためらわせる要因になっているのです。多子世帯の大学無償化が実現されれば、その不安を少しでも和らげることができるのではないのでしょうか。さらに、多子世帯の子どもたちの選択肢を増やすことにもなります。大学に進学すること、浪人すること、実家から離れた大学に進学すること、私立大学に進学すること、留学すること。多子世帯の子どもたちには、さらにハードルが高くなっているのです。
結婚期間15~19年の夫婦の出生子ども数を1987年と2015年で比較すると3人は25.9%から17.9%に低下しています。その一方、0人と1人の割合は計12.3%から24.8%に拡大しています。実際に私の周囲でも、二人兄弟は多くいても、私のような三人兄弟はほとんどいません。3人以上の子どもがいる多子世帯がいかに少ないのか、数字を見ずとも実感していたのです。
政府の方針が少子化の歯止めとなるだけでなく、自身の置かれた環境に関わらず、子どもたちが様々なことに挑戦できるような社会に近づくこと願います。
参考記事: