あなたの飲酒は適量ですか?

皆さん、お酒は週に何度、どの程度飲んでいますか。毎日楽しむ人もいれば、筆者のように付き合い程度という人もいるでしょう。

昨日の各紙では、22日に厚生労働省が日本で初となる『飲酒のガイドライン案』をとりまとめたことが紹介されていました。「少量のお酒は、逆に体にいい」などと言われてきましたが、少しであってもリスクを伴うといいます。こういった動きの背景には、過度の飲酒に伴う健康や社会への悪影響をできるだけ軽減する狙いがあります。

ガイドライン案には、飲酒による影響がさまざまな形で記載されています。その一つとして、アルコールを分解する体内の分解酵素の働きが弱く、飲酒をするとすぐに顔が赤くなる人、動悸や吐き気がする人は、長年の飲酒で口内や食道でのがんのリスクが非常に高くなることが紹介されています。加えて、こういった顔が赤くなる「フラッシング反応」は国民の41%が当てはまるそうです。

こういった事例に問わず、飲酒の際には「飲酒量(純アルコール量)」を知っておくことも重要です。

純アルコール量が記載されているチューハイ缶=筆者撮影

生活習慣病のリスクを高める飲酒量は、男性で40g以上、女性は20g以上だといいます。これを実際のお酒に当てはめると、男性の場合は、500mlのビール2本、チューハイだと350mlが2本、日本酒は360mlが限度となります。女性の場合は、この半分の量しか飲めないということです。晩酌を楽しみにしている人からは、「この程度しか飲めないの?」といった嘆きの声が聞こえてきそうです。

また、自分がどれだけお酒を飲めるのかといったアルコールへの体質を知っておくことも重要だと考えています。筆者は、耐性があるかどうかを知りたいと思い、先月大学で開かれたアルコールパッチテストに参加してきました。テストは簡単で、ガーゼにエタノールをしみ込ませたものを上腕に7~10分ほど張り付けて、確認します。当初はこれでわかるのかと疑問に思いました。多くの人が同じ考えだと思います。しかし、この簡易テストは侮れません。厚労省によると、90~95%の精度で『低活性型および非活性型の2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)』を持つ人(皮膚が赤くなる人)と、持たない人(皮膚が赤くならない人)を識別できるといいます。

筆者がアルコールパッチテストをした結果=筆者撮影

診断が終わり、ガーゼをはがしてみると肌が薄く赤くなっていて、お酒への耐性が弱いということがわかりました。頻繫に飲む人にとっては、耐性があるのかないのかを知ることで、飲酒の機会を控え、アルコール依存症になることも防ぐことができます。お酒との付き合い方に変化が出ると思います。

大学生によるお酒のトラブルは、よく耳にします。問題を引き起こさないためにも、大学で実施されている検査などを活用し、自分の体質を知ってみてはいかがでしょうか。

 

【参考記事】

23日付 朝日新聞朝刊 (13版)31面「ジョッキ1杯超 大腸がんリスク」

23日付 日経新聞朝刊 (13版)34面「飲酒リスク 国が指針案」

 

【参考資料】

厚生労働省飲酒ガイドライン作成検討会

健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(案)

厚生労働省 e-ヘルスネット「エタノールパッチテスト」