興味深い記事に出会いました。このニュースを紹介するのは、今の若者がどれだけ政治に関心があるのかを知り、今後さらに注目してもらうためにはどうすれば良いかを、多くの人に一緒に考えてもらいたいからです。
記事では、内閣府が日本や世界の主要国の10~20代の男女を対象に5年に1回行っている意識調査のうち、2014年発表の最新版の結果が取り上げられています。そこでは、政治に「関心がある」との回答は50.1%と書かれており、それだけの若者が興味を示していることに感心しました。
その同じ調査で、「私個人の力では政府の決定に影響を与えられない」という回答も61.2%に達しています。これに関して、鈴木賢志明治大学教授は、「大人は政治が汚いことを知っており、子どもを遠ざける。だが、現実にどんな政治家を選ぶのか教えなければ、投票率アップは見込めないだろう」と、若い世代の政治意識が投票行動に結びつかない現実を指摘しました。
この意見に同感です。昨年5月、東京・足立区議会議員選挙の投票に行った時も、ほかに若者はいませんでした。筆者の周りでも、「政治には興味や関心はあるけれど、難しすぎて分からない」や「投票に行っても期待通りにならない」といった声を聞きます。このようなマイナスな意見が挙がる背景には、政治参加への勉強不足があると考えます。
意識の落差を埋めるためにも、選挙権を20歳から18歳に引き下げるだけではなく、政治や選挙の構図を学校で分かりやすく解説し、実際に体育館で模擬選挙を定期的に行うといった工夫を施すことが求められます。そのことで、若者の政治意識は少しずつ高まると期待しています。
14日付 朝日新聞朝刊 12版 15面 オピニオン 「記者有論 投票につなげる教育を」