都会のオアシス、屋上庭園に行ってみよう

都内に住んでいると、コンクリートに囲まれた生活にうんざりするときがあります。気軽に自然に触れたいときは屋上庭園に足を延ばしています。その名の通り、建物の上に作られた庭のことです。大規模商業施設や官公庁に設置されていることが多く、皆さんも一度は訪れたことがあるかもしれません。

屋上緑化のメリットの一つにヒートアイランド現象の緩和があります。郊外に比べて都市部の気温が高くなる主な原因として、①地表面がコンクリートなどで覆われ、緑地が減っている②建物が密集していることで風通しが悪くなっている③建物や工場、自動車などの排熱が増えていること、が挙げられます。屋上を人工的なものから緑地に転換することでヒートアイランド現象を和らげる効果が見込まれています。また、屋上緑化には断熱効果で屋内の温度を下げ、紫外線による建物の劣化を防ぎ、さらに大気を浄化するメリットもあります。

東京都では屋上緑化を推進しています。緑化計画書制度により、敷地面積1,000m²以上の民間施設には一定基準以上の緑化が義務付けられています。都内に屋上庭園が多い背景には、こうした政策の後押しもあります。

ここでは私が訪れた庭園を3か所紹介しましょう。

まずは東京ミッドタウン八重洲の5階にある「八重洲テラス」です。23年3月にグランドオープンしたばかりで、低層階はにぎわっていますが、テラスは人がまばらで穴場スポットとなっています。私が訪れた時には風鈴が飾ってあり、涼やかな音色でも癒されました。ベンチが置かれ、窓からバスターミナルや丸の内のオフィスビルを眺めることができます。

屋上庭園からの眺め。東京駅等が広がっている。

八重洲テラスは東京駅の八重洲側にありますが、丸の内ではKITTEの6階に「KITTEガーデン」があります。屋上庭園として有名なスポットで「八重洲テラス」ほど落ち着いた空間とは言えません。しかし、こちらは夜景がとても綺麗です。ライトアップされた東京駅や、発着する電車や新幹線の灯り、丸の内のオフィスビルが望めます。立ち入りはできませんが、芝生も整備されているのでさわやかな気持ちになれます。

 

東急プラザ銀座の屋上にある「キリコテラス」では緑豊かな「グリーンサイド」とプールが配置された「ウォーターサイド」の2つのゾーンでくつろぐことができます。「ウォーターサイド」のプールは遊泳禁止ですが、水面をぼんやり眺めながらベンチやソファーでくつろぐのは至福のひとときでした。「グリーンサイド」からは数寄屋橋交差点など銀座のまちを一望できます。

屋上庭園は都会の喧騒から逃れられるオアシスともいえる場所でしょう。ちょっと疲れた時は緑に囲まれてリラックスした後、施設内の美味しいご飯を食べて英気を養うのも良いかもしれません。