どの季節が一番好き?という質問に、「夏」と答える人をあまり見たことがない。体感では9割方の人たちが、涼しい秋や丁度良いあたたかさの春を選ぶ。筆者は、残りの1割に該当する。夏が一番好きなのだ。花火やお祭り、バーベキューや海など、楽しいことがたくさん。夏ほどワクワクする季節はないからだ。夏生まれのせいか、暑さにもわりかし強い。気がする。
しかし、ここ連日の暑さは異常だ。ほんの数分間、外を歩いただけでも、体中から汗が噴き出る。あまりにも気持ち悪すぎる。不機嫌になる。夏で一番厄介なのは、ドライヤー。せっかくシャワーを浴びて汗を拭っても、その後髪を乾かすと、また汗をかき、気持ち悪さが再来する。浴びたシャワーが台無しだ。一体どうすれば良いというのか。
芥川龍之介は1924年7月24日、35歳の若さで自死した。親友の内田百閒は、「芥川君が自殺した夏は大変な暑さで、それが何日も続き、息が出来ない様であつた。餘り暑いので死んでしまつたのだと考へ、又それでいいのだと思った」と綴ったらしい。そんな彼が自死する日前日の気温は35.6℃あったらしい。その頃はもちろん、エアコンというものはない。当時、あまりの暑さに町で発狂し、保護された人もいたとか。その頃に比べれば、私たちは本当に恵まれている。今はエアコンという画期的なものがある。おかげで、私たちは発狂せずにいられているのだ。エアコン開発者には感謝しかない。
WHOによると、今年の夏は観測史上、最も暑い夏になるとか。大学生最後の夏休み、おそらく人生最後の夏休み。そんな暑さにも負けず、フォルダが色とりどりになる、思い出沢山の夏を過ごしたい。と思いつつ、暑いので外に出たくないし、エアコンがギンギンに効いた場所に永遠に滞在したい、というのが、若さを失いつつある22歳の本音である。全然暑さに強くないではないか。
参考記事:朝日新聞デジタル 6日付 気温40度を福島県伊達市で観測 午後2時、今年全国で初めて