顔を見られるの、いやだ。

3月13日にマスクが解禁され、約2週間ほどが経ちました。街でも、マスクを着用していない人を見かけることが多くなったように感じます。しかし、筆者的には思ったよりもまだマスクを着用している人が多い印象を受けます。

ではなぜマスクを外さないのか。一番の理由としてはやはりコロナ感染予防のため、でしょうか。しかし、筆者の友人に理由を聞くと、「顔を出したくないから」と答える人が少なくありません。かくいう私もその一人なのですが。

マスクをしていると見えるのは目だけ。そのせいか心なしか、友人との自撮りの回数も増えたように感じます。また、大学の授業を受ける時も、原則マスク着用。外す場面といったら、昼食をとる時くらい。それだけのためにメイクをするのも面倒くさく感じ、すっぴんで外出することも多くなりました。自撮りも増え、メイクをしないことで朝の時短にも繋がる!マスクはなんて便利なのでしょう。

一方で「マスク美人」「マスク詐欺」なんて言葉が生まれたのも、ここ3年でしょうか。マスクを外したら想像していた顔と違った、思ったより可愛くない、マスク詐欺だ!そんな言葉が飛び交う中で、誰が堂々と顔出しできるでしょうか。こちらも、詐欺をしたくてしているわけではありません。別に迷惑をかけているわけでもないのに、勝手に人の顔にいちゃもんつけるな、見た目の自分磨きはできるけど、あなたの、人の悪口を言っているような性格の更生は厳しいね、と言いたくなります。すみません、口が滑りました。

このように、コロナウイルスは多くの人の生活の自由を奪ったものでありつつ、顔のコンプレックスを浮き彫りにしたものであるとも言えます。本来、感染を予防するためのものであるはずのマスクは、今や、顔を隠すための道具へと変化しています。もう手放せません。

マスクをしている方が安心するだとか、マスクをしている自分の方が好きだとか、いや自分はこのかっこいい顔を見せたいから外したいだとか、考え方は人それぞれです。自分らしくいることができるのなら、マスクをしようがしまいが、その判断は正しいと思うのです。

このようにマスク解禁とはいえ、全員がマスクを外すわけではありません。人がマスクをしていなかったあの3年前の光景を、コロナ渦に生まれた子供たちに見せることができる未来は程遠いのかもしれません。いずれにしろ、マスクの需要が下がることは当分なさそうです。

 

参考記事:25日付 読売新聞オンライン 就活でマスクどうする?企業の7割「着用は任意」でも学生は不安