情報過多の時代にすべき2つのこと。1つは媒体の見比べ。もう1つは、問題の本質を見極めるのは自分自身だということを再確認すること。昨日の投稿で言いました。見出しや誇張に惑わされることなく、情報を読み比べ、冷静に判断する。新聞でもテレビでもなく、問題の本質を突くのは読者であり、視聴者である私たちです。それをまず自覚しよう。それが「メディアリテラシー」を身につける最善の道です。しかし、この道は日本には敷設されていますが、お隣の国では閉ざされてしまっているようです。
抱歉,您当前访问的帐号异常,暂时无法访问
日本語に訳すとこうなります。「申し訳ございませんが、現在あなたがアクセスしようとしているアカウントは、一時的に利用できなくなっています」。誰の、何のアカウントか。中国の著名企業家・任志強さん(64)の中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」のアカウントです。みなさんも検索エンジンから「任志強」で探すと見つけられると思います。是非一度、ご自身の目で確かめてみてください。
任さんのアカウントが利用できなくなったのは、単なるエラーではありません。中国政府が閉鎖を命じたのです。習近平・中国国家主席は今月19日、国営メディアなどの視察後「党と政府が主管するメディアは党を代弁しなければならない」と、国営メディアに忠誠を求めました。これに任さんは猛反発。フォロワーが3700万人いる「微博」上で批判を展開しました。標的は中国共産党や中央政府に限らず、忠誠を受け入れた国営メディアも対象となりました。その後、世論の動きを危惧した当局は任さんのアカウントを閉鎖しました。
ユーザーは法と社会主義制度、国家利益の限度を守らなければならない
閉鎖を命じた国家インターネット情報弁公室は、閉鎖理由をこう説明します。露骨な言論封殺には呆れるほかありません。「メディアリテラシー」という単語は、日本語に訳すと「情報を読み解く力」となります。では、中国語では何というのか。そもそも、単語に当てはまる中国語が存在するのか。見当もつきません。妄言を放った習国家主席に、忠誠を受け入れた国営メディアに、そして任さんに、昨日の投稿と合わせてささげます。
参考記事:
29日付 朝日新聞朝刊(大阪14版)国際面「著名企業家の中国版ツイッター メディア批判し閉鎖」
同日付 読売新聞朝刊(同版)総合面「習政権を批判のSNS強制閉鎖」