ウクライナ侵攻開始から1年 いま、子どもに何を伝える?

最近、子ども向けの本をずっと読んでいます。対象の年代は過ぎていますが、成人が読んじゃいけないわけではないのです。実際、ていねいに書かれた本は、大人でも楽しめます。

小学生から高校生向けの本の共通点の一つは、物語の展開がすらすら頭に入ってくるということです。子どもは飽きやすいし、たくさんの文字を読みこなせる子ばかりではありません。だからこそ、ストーリーの構成やメッセージ性が洗練されており、いい意味で「単純」です。質の良い作品ほど、言葉の選び方にも無駄がありません。

でも、児童書のように簡単には解決しないのが、現実の難しいところ。「戦争はいけないこと」。誰もが分かっているはずなのに、なぜか争いは終わらない・・・。今日は、ロシアがウクライナに侵攻してから、1年になる日です。

避難された方々の言葉を報道で目にしながら、歯がゆさや、申し訳なさを日々感じています。避難すらできず、とどまらざるをえない方々もいるでしょう。戦地の声はさらに届きにくく、想像すらできないことも少なくありません。ただ分かるのは、一刻も早く戦争を終わらせなければいけないということだけ。

「(5歳の娘に)ロシアが悪いと端的に伝えていいものか」。朝日新聞の投書欄にあった主婦の言葉に、気付かされました。幼い頃の刷り込みは大人になってもなかなか消えないものです。教え方ひとつで、修復の難しい敵対感情を子ども心に刻んでしまうかもしれません。

ウクライナとの戦争を終わらせることができるのは、ロシアだけ。しかし歴史に学べば、一国だけを悪者にしても平和への近道にはなりません。

いま、日本は第三者です。時に私たちは、ひと事でしか捉えられないことを反省するべきかもしれない。でも、冷静な目で世界を見て、国境を超えた枠組みでの解決を唱えることはできます。

まだ、私は学生。でも、もう成人も迎えたし、子どもに明るい未来を伝えられる大人でいたい。そう、たとえばこんな言葉をいつでもかけてあげられるような、平和な世の中をつくる一員でいたい。

「世の中には素敵な本がたくさんあるんだよ、安心して、ゆっくり読んでいても大丈夫だよ」・・・