2月10日、コロナ感染予防としてのマスク着用に関し、緩和措置を取ることが決められました。今までは原則として着用が推奨されていましたが、3月13日からは個人に委ねるものとされます。以前より、マスクが子どもの発育に悪影響を与えるのではないかという懸念から、着用の程度を緩めることが検討されていました。基本的には任意としつつも、医療機関への受診時や満員電車内など、感染のリスクが高い場合には、マスクの着用が推奨されるといいます。
政府の方針がどれだけ人々の行動に影響を及ぼすかは、まだ未知数です。ですが、着用が任意となれば、コロナへの意識の違いから、モヤモヤすることも多くなるかもしれません。実際に、筆者のアルバイト先の飲食店では、マスクをせず大声でおしゃべりをするお客さんがいると、近くの席の方が嫌がり、席の移動を希望することがあります。多くの人がマスクをすることが当たり前の時でさえ、人によってこれだけの意識の差があるのですから、マスクが個人の自由となれば、そのような認識の差はもっと顕著に目に見えてくるかもしれません。
しかし、今まで顔の半分が隠されていたため、相手の顔をしっかりと見られるようになるのは少し楽しみでもあります。ずっとマスクを付け、人と関わっていると、相手の顔を覚えるのが難しく感じます。また、マスクを外すふとした瞬間に、自分の顔を見られることに緊張することも少なくありません。他の人がマスクを外した顔を初めて見た時に、「この人ってこんな感じの顔だったんだ、意外だな」と思ってしまうことがあるからです。大したことではありませんが、人の顔に対する勝手なギャップが少なくなるのは、嬉しく思います。
コロナの流行が始まってから3年。「マスクが取れる日なんて来るのだろうか」と今までは半信半疑でしたが、やっとそんな日がやって来るようです。ただ、この「脱マスク」はコロナの封じ込めに成功したからではありません。現在も感染数は高止まりです。この状態でマスク着用の緩和措置が採られるということは、コロナウイルスと共存していく「ウィズコロナ時代」により本格的に入っていくということだと思います。
コロナウイルスの症状がどんなに軽くても、ならないに越したことはありません。また、マスク、うがい、こまめな手洗いで、今までは冬に流行していたインフルエンザが簡単に予防できるということも分かりました。今年の5月には感染法上の分類が季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられるなど、新型コロナへの向き合い方が、個人レベルではなく、社会的にも大きく変わっています。マスクを外しても良くなるのは嬉しいですが、感染しないように、そして人にうつさないよう、基本的な感染予防策は忘れずに行っていきたいと思います。
参考記事:
2月10日読売新聞オンライン、「マスク着用は『個人の判断』、来月13日から原則推奨せず…卒業式は前倒しで緩和」