一人暮らしはさらに困る 知らない土地での受診病院の選択

病院探しに困った経験があります。最近では婦人科系と内科系の病院を見つけるのに、その前のコロナ禍での急な発熱ではPCR検査をしてもらえる病院を探すのに苦労しました。

大学生活4年目を迎え、一人暮らしにはだいぶ慣れてきました。とはいえ実家に住んでいた時のような通いなれた病院は一つもなく、困ったときにどこを受診すればいいのか助言してくれる人が近くにいません。

婦人科系の病院を探した際は、「女性の先生がいいなあ」という思いがありました。そこで近くの婦人科をインターネットで検索し、ホームページで女医さんがいることを確認しました。実際に診てくれたのも女医さんで、調べていってよかったと安心した記憶があります。

その後、この話をした一人暮らしの友人も婦人科で困っていました。筆者と同じく「この辺りの病院の知識がなさすぎて、しかも初めての受診となると不安が大きい」「いろいろホームページを見てみたけど、どこがいいのか分からない」と、病院選びの難しさに戸惑い、得られた情報をどう判断したらいいのか分からない様子でした。筆者の周りでは友人同士で情報を交換し合い、受診先選びの判断材料にすることが多いです。

最近も激しい腹痛と嘔吐におそわれ、お医者さんを探しました。急に駆け込める先がなく、また交通手段が自転車かバスに限られることから、近くの病院を調べました。病院名に「内科」とついているところで十分か、それとも「消化器内科」を名乗っているところのほうがいいのか、専門的な知識がないため判断がつきません。また、本当に受診すべき症状なのかにも不安がありました。今回は、以前友人が使ったと教えてくれた「#7119」を使うことにしました。

「#7119」は救急車を呼ぶべきか、自力で病院へ行くべきか迷ったときに24時間365日利用できる救急安心センターの番号です。すべての都道府県に設けられているわけではありませんが、福岡県のほかでも大阪府、東京都、山口県などでは対応してもらえます。症状を伝えると、医師や看護師などの専門家が緊急度を判断し、急を要する場合は救急車が出動、そうでない場合は応急手当の方法や医療機関を案内してくれます。

筆者の場合は内科系での受診を薦められました。加えて移動手段が徒歩か自転車であることを伝えると、家から近い内科系の3つの医療機関について電話番号と診療時間を併せて教えてくれました。ここで「内科」と「消化器内科」のどちらがいいのかを聞いてみました。すると「症状からすると消化器内科のほうがより詳しくみてくれるかもしれませんが、内科でも大丈夫です」と抱えていた疑問を解消してくれたため、最終的に消化器内科のある病院に行きました。検査を受け、症状を緩和する薬を処方してもらったおかげで、現在は回復に向かっています。

その前にあったコロナ禍での発熱でも困りました。かかりつけ医がないので、まずは受診・相談センターに電話し、近くで検査をしてくれる施設を教えてもらいました。その病院に電話し、今から行ってもよいかを確認。コロナの疑いがある状態なので、バスやタクシーの利用は控えないとなりません。車がない筆者は、発熱の中、自転車で20分ほどの病院へ向かいました。結果は陰性であったものの、一人暮らしの学生にとっては、発熱中に自分一人で連絡をとらなければならないことと移動手段がないことが相まって、かなりきつい状況でした。

慣れない土地での一人暮らしで、体調不良や体への不安を覚えた際には、受診科や病院の選び方、さらには受診すべきなのかといったことで迷います。筆者が利用した電話相談窓口「#7119」や、受信・相談センターのような公的サービスを積極的に利用することは不安を取り除くだけでなく、適切な医療を受けることに結び付きそうです。

最近はかかりつけ医の制度化に注目が集まっていますが、その探し方などでは課題も残ります。特に一人暮らしの「学生」はこうした情報が不足し、急な症状に困ることが多々あります。高齢者に限らず、若者が抱える不安や現状も取り入れた制度が広がることを望みます。

 

参考記事:

2022年5月28日付 ヨミドクター「かかりつけ医はどうやって探す?…インターネットの口コミだけでは判断しない

2023年1月25日 読売新聞調査研究「「かかりつけ医」の制度化を考える

2023年2月1日 朝日新聞デジタル「コロナ後遺症、待たれる解明 疲労感・せき・脱毛・味覚障害…年単位で続くケースも

参考資料:

厚生労働省 上手な医療のかかり方.jp