ミラーレスカメラが欲しい

スポーツ競技を撮影しているカメラマンを思い浮かべてみてください。白や黒の長いレンズを選手に向けている光景です。キヤノンの望遠レンズは「白レンズ」と呼ばれるものがあり、性能や耐久性の高さから多くのカメラマンが使用しています。一方、ニコン製は一般的な黒色です。スポーツ大会ではこの二大メーカーの望遠レンズが使われることが多く、両者の製品が並ぶ様子を「白黒対決」と呼ぶようです。しかし、昨年の東京五輪ではこの二大メーカーに加えて、ソニー製のミラーレス一眼を使うカメラマンが増えたことが注目されました。

 

最近注目を集めているミラーレスカメラは、従来の一眼レフカメラよりも小さくて軽く、シャッター音がしないことが特徴です。一眼レフのファインダーは、レンズから入ってきた光をカメラ内部のミラーで反射させて映しています。シャッターボタンを押すことでカメラ内部のミラーが機械的に素早く動き、画像を記録するイメージセンサーに光が届けられる仕組みです。このシャッターの仕組みをメカシャッターと言い、内部のミラーを含むシャッターを切る装置をシャッターユニットと言います。

一方、ミラーレスカメラのファインダーは液晶モニターが採用されています。一眼レフのようにレンズから入る光をミラーで反射させる必要がありません。これにより、シャッターを切るときに、内部のミラーを動かす構造が不要になります。つまり、シャッターユニットを搭載しないので、そのぶん小型化できるのです。シャッターを切る音も小さくすることができます。「カシャ」という一眼レフ特有の音がしない長所は、静かに写真を撮りたい場面で活かすことができます。

 

光学ファインダーと電子ビューモニターの違い。電子ファインダーは、ファインダー内の液晶に画像が表示される(筆者作成)

 

カメラ内部のシャッターユニット。レンズを交換するときはイメージセンサーが露出しない仕組みになっている(筆者撮影)

 

国内メーカーはミラーレスカメラに舵を切っています。7月12日には複数のメディアが、ニコンが一眼レフカメラ開発から撤退したと報道。ニコンは同じ日に「憶測によるもので、当社が発表したものではありません」とコメントしていますが、ニコンの公式販売サイト「ニコンダイレクト」では多くの一眼レフが販売終了になっているのは確かです。

これからの主流はミラーレスカメラでしょう。スマートフォンで高画質の写真が撮れるようになったといっても、カメラのほうが美しく映像を記録できます。お金を貯めて、いつかミラーレスカメラを買いたいなと思う日々です。

 

参考記事:

6日 日経新聞電子版

「小型デジカメ開発停止 パナHD、低価格モデル対象 ニコンはミラーレスに集中」

7月12日 日経新聞電子版

「ニコン、一眼レフカメラ開発から撤退 60年超の歴史に幕」

7月12日 朝日新聞デジタル

「ニコン、一眼レフカメラの開発を停止 成長するミラーレスに注力」

7月12日 読売新聞オンライン

「ニコンが一眼レフの開発停止、ミラーレスに注力…「ニコンF」登場から60年超」

参考資料:

ニコン 22年7月12日「本日の一部報道について」