暑い夏、ビールで一息

今日8月5日は「世界ビールの日」です。友と集まりビールを楽しみ、醸造会社などビールに携わる人達に感謝するため、2007年にカリフォルニア州で始まりました。日本でも、8月上旬はビールがおいしい季節です。蒸し暑い夏の夜には冷えた一杯が恋しくなります。また、夏祭りの酒といえばビール以外にありえません。筆者は先日新潟県で長岡花火大会を鑑賞しました。新潟といえば日本を代表する米どころであり、それ故か国内で最も酒蔵が多い県としても知られています。筆者も花火大会の前日は久保田や八海山など地元で作られた日本酒を楽しみましたが、夏祭り当日は話が別です。近くのコンビニエンスストアで缶ビールを買い、花火を肴に夏のひとときを満喫しました。

三年ぶりに開催された長岡花火大会の様子(2日筆者撮影)

 

新型コロナウイルスやウクライナ侵攻により、ビールがおかれている状況は不安定なものになっています。穀物などの原料価格の高騰により、10月1日から一斉に値上がりすることになりました。引き上げ幅は6-10%と小さくはありません。ただ、コロナウイルスの感染拡大以前と比べ、原料である麦芽の価格が約2.1倍に上昇していることを考えると、多大なる企業努力が伺えます

また、先日大手回転寿司チェーン「スシロー」による「ビール半額」広告が問題になりました。これは、一部の店舗でビール半額キャンペーンの店内広告を、期間を誤って掲示していたうえ、開店直後にも関わらずビールが品切れ状態の店もありました。広告には「何杯飲んでも生ビールジョッキ半額」や「7月28日まで」と書かれていながら、開始日が記載されていませんでした。

物価の高騰が続き、ビールはもはや高級な嗜好品となっています。日頃は我慢しつつも、広告をみて半額ならば注文しようと思った人もいるでしょう。会計時に想像より高かった伝票を見た際の心境を思うと言葉もありません。また、期間中ビールを楽しみに来店したはいいものの、すでに売り切れとなってしまっていたら、なんのために来たのだとスシロー自体に不信感を抱いてしまうことになりかねません。

物流が不安定な昨今です。全国300店舗の需要に十分答えることができる量のビールを用意することは難しいのでしょう。それでもSNSを活用することで事前に品切れであることを伝えられたはずです。それまでも同社はおとり広告で問題となり、消費者庁から再発防止を求める措置命令を出されています。客に対して誠実な対応を積み重ね、信頼を回復しなければなりません。

パンデミックに国際情勢の混迷が加わり、メーカーや飲食店などビールにかかわる業種は大きな打撃を受けています。それでも安定して私達にビールを提供してくれている関係者の方々に感謝しつつ、今夜も乾杯。

 

左からプレミアムモルツ香るエール、ベルギーのチェリービール「BELLE-VUE」、日本のマンゴーオレンジエール(5日筆者撮影)

 

参考記事

朝日新聞デジタル スシロー、期間間違え「ビール半額」の広告 31店舗で誤掲示

https://digital.asahi.com/articles/ASQ7F6GYXQ7FPLFA008.html?iref=pc_ss_date_article

朝日新聞デジタル ビール、マヨネーズ、コーヒー…食品6千品目に「値上げの秋」近づく

https://digital.asahi.com/articles/ASQ7062CKQ70ULFA002.html?iref=pc_ss_date_article

読売新聞オンライン スシロー、開催前から「生ビール半額」と掲示…「誤解招いた」1杯264円の差額返金へ

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220713-OYT1T50214/

読売新聞オンライン 8月も値上げ止まらず、食品2431品目…10月には6千品目超に拡大

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220801-OYT1T50240/