どの品物が10%? 混乱は仕方ない

今日11月30日は「年金の日」。1130(いい未来)に合わせて厚生労働省が考えたそうです。昨日の1129(いい肉)からすると少し無理がある気がしますが、今日は年金の財源にもなる消費税についてマレーシアの前例をもとに考えていきます。
日本では2017年4月に消費税が10%に引き上げられます。この際に低所得者対策として導入する軽減税率の対象をどの範囲にするのかについて、自民党と公明党が議論しています。導入にあたっては、生鮮食品、加工食品、外食など、どこまでを対象とし、どう区分するのかが問題になっています。麻生財務大臣は「クリームパン、お菓子ですか?パンですか?」と、難しさをこう表しました。
そこで4月に標準税率6%のGST(消費税)を導入したマレーシアの例を見ていきます。マレーシア政府が「生活に欠かせないもの」としたものには、GSTを0%にする軽減税率が導入されています。しかし、粉ミルクは粉ミルクでも、入っている栄養成分によって対象品目かそうでないかが分かれています。またパパイヤは丸ごと1個ならば0%なのに、漬物に加工されると6%がかかるそうです。これでは客側も店側も混乱するのは当然です。
このようなマレーシアの事例は日本にとって他人事ではありません。今は対象品目を検討している段階ですが、遠からず決まることでしょう。しかし、決まったとしてもはっきりと誰にでもわかりやすい線引きではないと思いますし、混乱は避けられないはずです。だからこそある程度の割り切りが必要です。議論が進まない言い訳に、国民の混乱を招くから、はもういりません。国民は買い物をするときに大変な手間がかかることを理解したうえで、これからの社会保障、税金のために、と思う努力が必要なのではないでしょうか。政府に言い訳でなく、主導力があれば、私は「仕方ないな」と思いながらも軽減税率導入の混乱を受け入れるでしょう。
参考記事
30日付朝日新聞朝刊(東京13版)「軽減税率から半年 混乱マレーシア」3面(総合)
 同日付読売新聞朝刊(東京13版)「編集手帳」1面