いじめ問題 投書を読んで感じたこと

27日の朝日新聞朝刊のオピニオン&フォーラム欄で、興味深い投書がありました。

内容を簡単に説明します。主張は、いじめの被害者を一方的に隔離する日本の考え方に疑問を呈したうえで、加害者を隔離し、教育、カウンセリングをするべきだというものです。テレビドラマ「ミステリと言う勿れ」の中の「日本では、いじめられている人に『逃げていい』と言うが、欧米では『いじめている人は病気だから治療しなくてはならない』と隔離するそうで、日本でもこの考えが浸透するとよい」といった趣旨のセリフを聞き、考えさせられたといいます。

私もこの主張に同意します。昨今のいじめ報道を目にすると、被害者が守られているとは思えないからです。例えば、旭川市のいじめ問題では、教頭が被害者の母親に対して、「加害生徒にも未来がある」と、加害生徒をかばうと受け止められる発言を残しました。本来のあるべき学校の姿は、加害者の責任を追及し、しっかりと罪に向き合わせることです。ただ、日本の生ぬるいいじめ対応をみていると、いじめがなくなることはないのではないかと懸念します。そこで、参考になるのが、外国のいじめ対策です。例えば、イギリスでは、監視カメラを校内に設置し、生徒の様子を確認できる他、加害生徒の親は教育に関する講習を受ける義務があるといいます。アメリカのバージニア州では、いじめや嫌がらせをした生徒に対して、共感トレーニングや怒りのコントロールに関するカウンセリングを行うといった対応がとられているようです。

被害者の子どもと親だけが思い悩むだけでは解決に至りません。外国のいじめ対策を例に、国や学校は、より強力な対策を講じてほしいと思います。

参考記事
27日付 朝日新聞朝刊(東京13版)12面(オピニオン)「いじめる側こそ 隔離すべきだ」