前回の記事に引き続き、今回も生理に関する話題です。日本経済新聞に昨日「生理の貧困対策を学校で トイレに常備、役所も無償配布」という記事が掲載されていました。
新型コロナウイルスをきっかけに、経済的理由などで生理用品を買えない「生理の貧困」が表面化しました。テレビや新聞では頻繁に問題が指摘され、支援団体や自治体の動きも活発に。日経の記事ではこの1年間で生理用品を巡る環境がどう変化したのかまとめていました。
具体的な内容を紹介します。生理用品をトイレに置くようになった学校の校長先生に話を聞いています。また、政府が3月に拡充を決めた「地域女性活躍推進交付金」を活用して生理用品を購入し、役所の生活相談窓口などで配布している自治体を紹介していました。少しずつかもしれませんが、すべての女性に行き届く環境が整いつつあることを嬉しく思います。
一方で課題も見えてきました。10月8日に京都新聞には「市の施設になぜ山積みのナプキン? 「生理の貧困」支援進まぬ背景は」という記事が掲載されています。生理用品の配布をしている京都市の施設を紹介。配布を始めた当初はそこそこ希望者が来ていたものの、最近は土日でも一桁だという職員の嘆きの声がありました。
支援が進まない原因について担当者は「困窮する人が生理用品1パックを取りにわざわざバスに乗って来るかというと、それはできない。生理で困っていると他人に公言することへの抵抗感もあるのでは」と述べています。
またTwitterでは先日、小学校のトイレに生理用品を置くと「生理がまだ来ていない子を傷つける」という理由で設置を渋っている学校もあるという投稿が話題になりました。投稿を読んだ多くの女性が「意味が分からない」「自分は初潮が来たとき保健室にナプキンがあると知らなかった。トイレにあると便利なのに」といった趣旨の反論をしています。
こうした記事やTwitterの投稿を見て、いくら環境が整っても生理に対する考え方が変わらないと意味がないと感じました。口に出してはいけないこと、ひとりで解決するものという意識を改めなくてはいけないのではないでしょうか。環境を整えるだけでなく、生理について話しやすい空気を作るような努力もしなくてはなりません。
参考記事:
11月8日日本経済新聞デジタル版「生理の貧困対策を学校で トイレに常備、役所も無償配布」
参考資料:
10月8日京都新聞「市の施設になぜ山積みのナプキン? 「生理の貧困」支援進まぬ背景は」