「今の萩生田大臣だったよ」。4月から通っている国会議員事務所で働くインターンの一環で自民党本部を訪れたときのことだ。テレビで何度も目にする有名政治家が目の前を通ったにも関わらず、教えてもらうまで全く気が付かなかった。正直に言うと、おじさんが多すぎて誰が誰だか全く見分けがつかないのだ。
議員連盟や活動報告会の手伝いなど、インターンを通して議員の仕事に触れ、少しずつ政治を身近に感じていた矢先の出来事だった。ふと見回してみると、自民党本部でも議員会館の中でも、もちろん女性や若い人の姿もあるが圧倒的に高齢の男性の数が多い。党本部では胸元のバッジを見ないと議員なのか、秘書なのかわからないことも。これだけ年齢差があって、果たして私たち若者の考えや感覚を理解してもらえるのか不安に感じた。20歳の自分にとって、再び政治が遠いものに思えてしまった。
10月23日付の朝日新聞「(多様性のありか 2021衆院選:下)若者と政治、距離縮まるか」という記事に取り上げられていた女子高校生の言葉に心から共感できる。
興味を持ちにくいのは、ニュースで報じられる「政策」が高齢者向けの話ばかりに思えるからだ。「だから政治家っておじさんばっかりなんじゃないの。課題を抱える世代が政治ってやるもんでしょ」
「いや、マジでおじさんばっかりなんだよ」。そう教えてあげたい。記事ではこう続く。
政治家が票田とする農業や建築、医療といった業界や団体の中心にいるのは中高年だ。
国会議員は国民の代表であり、特定の団体の代表でもあると感じる。インターン先の議員の報告会に参加するのは、繋がりの深い業界の人たちだ。自分と年齢の近い人の姿はほとんどない。こういう人たちの声が一番反映されやすいのだろうと実感する。
「政治の世界では数が正義です」。インターン先の議員はこう語る。このままだと人口も投票率も少ない若者の声は後回しにされ続けてしまいそうだ。声を大きくするためには票を投じるしかない。そんな気持ちで投票に行こうと思う。
参考記事:
10月23日付 朝日新聞デジタル「(多様性のありか 2021衆院選:下)若者と政治、距離縮まるか」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15086162.html