誰のことかと首を傾げたかもしれません。彼の名はガリガリ君です。40年前に赤木乳業が世に出しました。
群馬の赤城山のイメージが強いが、本社は渋沢栄一の出身地の埼玉県深谷市だ。乳業といいながら乳業は扱っていない。社名からして「冗談」のような企業が、年間4億本売っているのが「ガリガリ君」だ。今年で40歳を迎える。
本日の日経新聞にはロングセラーを果たしたガリガリ君の記事がありました。1981年の発売から1億本の売れ行きに達するまでに20年もかかったというのだから驚きです。ヒットのきっかけは2000年に生まれた「ガ〜リガ〜リ君」のフレーズでお馴染みのCMです。その後キャラクターの価値を高めるべく、「芸能プロダクション」を設立。コラボ商品の展開に励みました。バリエーションの多さは有名で、これまで150種以上。知名度をさらに上げたのが変わり種の発売です。
今から7年前、忘れられない体験があります。
「凄く不味い…」。初めてガリガリ君のナポリタン味を食べた時の感想です。セブンイレブン・ジャパンが店頭から撤去するほどになったナポリタン味。この騒ぎで赤木乳業は3億円の赤字が出ました。しかし、お陰で知名度はかなり上がったのです。
アイス全体でみると、豪華な高価格商品の増加や原材料費の上昇で、1リットル当たりの単価はこの20年で35%上がった。それに対し、定番商品の値上げは小幅なケースが多く、相対的にお得感が増したといえる。
先月の朝日新聞デジタルの記事の一部です。巣ごもり需要もあり、アイスクリームの売れ行きが好調なことに加えて、値上げにも言及しています。そこで思い出したものが。「お詫びの広告」です。この広告は新聞協会主催の新聞広告賞2016でグランプリを受賞しています。
25年間がんばりましたが、「ガリガリ君」を10円値上げいたします。たった10円のことで社員一同が深々と頭を下げている写真は印象的でした。広告の評判は国境を越え、ニューヨークタイムズの1面にも登場するほどの話題を呼びました。
「常にワクワクしてもらえるよう工夫をしてきた」。同じく先月、別の朝日新聞デジタルでの記事には赤木乳業の社員の声がありました。年間の販売本数は、2012年に初めて達した4億本台を今も維持しているそうです。歴史を振り返ってみると、手を変え品を変えて様々なチャレンジをしていることが伺えます。最近も、40周年記念ということでフレーバーの一般募集に踏み切り、見事、うめ味が開発されました。
筆者は大学3年生です。日々、夏休み期間のインターンの準備に追われています。「人と同じじゃ埋もれるよ」。先週、大学のOGから言われた言葉が頭から離れません。商品PRと自己PR、中身は大きく異なっているように感じられるかもしれませんが、どれだけ試行錯誤するのかという核心は同じ気がします。現在、ガリガリ君の課題は女性へのターゲティング化だと日経新聞にありました。日々、課題と戦い自社商品を見つめる赤木乳業。「見習う」というにはおこがましいですが、私も自分を見つめ直すきっかけになりました。
参考記事:
16日付 日本経済新聞朝刊 埼玉11版 15面 「4億の男、ガリガリ君40歳」
6月7日 朝日新聞デジタル 「(知っとこ!DATA)定番アイス、衰えぬ人気」
6月7日 朝日新聞デジタル 「定番アイス、コロナ禍で増す存在 訳は価格かカロリーか」
参考資料:
赤城乳業 公式ホームページ 赤城乳業株式会社 (akagi.com)