ポケットからごみ袋を取り出し、裏返して手を突っ込む。屈んで、路上のごみを拾う。立ち上がって、歩きながら袋口を縛る。やってみたら、なんてことありませんでした。
のど飴、チョコレート、グミ、コンビニのおにぎり、サンドイッチ…風に吹かれ、雑草と共に花壇に混じるのは、プラスチック包装のごみたち。市街地も、郊外も、目を向ければどこにでも落ちています。
前回のあらたにすで「ゴミ拾い宣言」をした筆者は、ごみ袋を携帯することを心がけています。袋は、雨の日に新聞紙が包装されている薄いビニール。いつもは指でこじ開けてそのまま捨てていましたが、はさみで端を切って開ければ、立派にゴミ袋の役割を果たしてくれます。パンやお菓子などの、中身が汚れて他に使い道のない袋も、便利に使えます。裏返して手を突っ込めば、直接触れずしてごみを拾うことができます。
こうした習慣が身についてからは、道端のごみに目が行くことが増え、今までどれだけ見えていなかったのか、見ようとしなかったのかを思い知らされました。自分が出すものにも敏感になり、立ち去るときのごみのチェックは以前より入念です。環境問題へのアンテナが、自然と高くなったように思います。
たくさんのごみを見るうちに、気づいたことがあります。落ちているプラごみのほとんどは、お菓子やパンなどの包装。中でも特に多いのが、封を開けたときに生じる切れ端部分でした。
これらを落とした持ち主はおそらく「それだけのためにゴミ箱に行くのが面倒だった」、もしくは「知らない間に落としてしまった」のではないかと思われます。前者に心当たりのある方はぜひ、それが景観を汚していること、風に飛ばされ海へ流され、積もり積もって海洋プラごみ問題の原因になっている可能性があることを自覚してほしいと思います。
後者に関しては、おそらく誰もがうっかりやってしまっている可能性があるでしょう。だからこそ、手元にゴミ袋があるとき、近くにゴミ箱があるとき、気づいたごみを拾っていきませんか。環境を守るために。そして、巡り巡ってプラスチックを摂り込んでしまっている私たち自身を守るために。小さな行動から、変えてみませんか。
「そんな小さなことをやったところで」と、鼻で笑いながら口に出す人がたくさんいる。
僕は逆だと思う。
「そういう小さなことですらも、できない人がほとんどだから、こんなに大ごとになってます」
(環境活動家、谷口たかひささんのInstagramより)