新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、25日から東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に3回目の緊急事態宣言が発令された。
今回の緊急事態宣言では、生活必需品の売り場を除いた百貨店・商業施設のほか、博物館や動物園、ボウリング場、酒類を提供する飲食店に休業要請がなされた。3度目ということもあり、国民の不満は大きい。とくに、飲食店への休業要請に対しては、当事者を中心に批判が強まっている。
変異ウイルスの拡大を抑え込むためには、1、2回目より強力な措置が必要なのは当然だ。そのため、酒類を出す店への休業要請は合理的な判断だといえる。しかし、コロナ禍で最も割を食ってきたのは飲食店、とりわけ居酒屋だ。その居酒屋に対し、さらに休業を求めるのはあまりに酷だ。
休業協力金があるではないか、との意見もある。しかし、東京、大阪、京都では1、2月分の時短協力金の支給率は4~5割止まりである。対応が遅すぎる。数ヶ月前の協力金も支給できていないのに、休めというのは一方的ではないか。
また、居酒屋の働き手の多くは学生だ。休業要請の皺寄せは、必然的にアルバイト学生にくる。彼らの中にはバイト代で学費や生活費を賄っている人も多く、迅速な支援が求められる。
繰り返すが、変異ウイルスの拡大が進んでいるなかでの宣言の再発令、そして居酒屋への休業要請は合理的な判断と考える。しかし、現状では廃業通告に等しいのではないだろうか。全国の店からの悲鳴は政府にも届いているはずだ。その声を聞き、まず休業協力金を迅速に支給できる体制を整えなければならない。
参考記事:
25日付朝日新聞朝刊(14版)1面「4都府県 休業相次ぐ」
日本経済新聞「時短協力金、支給遅れ 1・2月分の東京・大阪4~5割どまり不正防止へ審査慎重」https://www.nikkei.com/article/DGKKZO71287110T20C21A4EA2000/