ブラック校則にNOを

「下着や靴下は白」「ベルトは黒」

このようなブラック校則が今、問題になっている。

飲食店やゲームセンターへの立ち入り禁止など、生徒の安全を考えた上の校則は理解できる。しかし、髪型について「女子は耳より下で後ろに結ぶか、三つ編みにすること」「男子は左右非対称カットやツーブロック、頭頂部を立てるなどは禁止」などと細く指定することは、彼らに生きづらさを強制することにならないか。

とくにLGBTQなど、生まれた時に割り当てられた性別に違和感を持つ人たちに、特定の制服や髪型を強制するのは時代に反していると感じる。校則が教育上どのような目的があるのかを説明できるのであれば生徒も納得できるだろうが、理由もなく単に服装や髪型を強制するのは、多様性を排除することになりかねない。学校こそ教育機関として多様性を教えるべき場であるはずなのに、まるで真逆のことをしているのは見過ごすべきではないだろう。

筆者は私立中学校・高校に通っていた。そのため、校則は厳しい方であった。髪の毛は肩の長さになったら必ず結ばなければいけなかったし、色付きのゴムは禁止、腕まくりも禁止、化粧などはもってのほかだった。変な校則が多いとは感じていたが、当時の自分はそれが当たり前だと思っていた。そのためあえて声をあげてまで変えたいという意識はなかった。だからこそ、今ブラック校則の廃止を求める声が出てきているということ自体、多様化した時代の意識の表れであると感じている。

今思い出せば、スカートの丈の長さも厳しく規定されていた。だが女子の制服にスカートという選択肢しかないのもまた問題だと思う。見た目の性別に関係なくパンツスタイルを選べるようにするなど、学校側にも多様な性のあり方を尊重する姿勢が求められてくるだろう。

多くの学校では、そもそも校則を変えるための手続きが定められていない。ブラック校則が必要以上に生徒たちを縛っているのであれば、まずは生徒たちの手でそれを変えられるようにすることこそ大切なのではないだろうか。

参考記事:

14日付 朝日新聞デジタル 「下着は白」校則は人権侵害「肩ひも出させて色確認」