「ぐるぐる病院」、生活保護の人が頻繁に転院を繰り返すことを指す言葉だそうです。これは長期入院によって診療報酬が下がることから、収入確保を目的に短期に転院させていると考えられています。
この「ぐるぐる病院」は病院の提供するサービスとして、大きな問題です。患者に、環境の変化によるストレスなどの大きな負担を掛けることは間違いありません。場合によっては、完治が遅れる、悪化することも無いとは言い切れません。本来であれば、患者を受け入れた病院が責任を持って最後まで治療するのが筋でしょう。そのためにも長期入院に対する診療報酬の引き下げを止めるべきだと考えます。
私の知人に家族が病院の転院を繰り返したという人がおり話を聞かせていただきました。三ヶ月ごとに病院を移ることを求められるため、新しい病院に入るたびに次の転院先を探さなくてはならず苦労したそうです。また、その患者の方が認知症だったため、度重なる環境の変化によって病気の進行が早まったと思うとのことでした。
この話を聞き、長期入院の障害となる制度の改善の必要性を感じます。この制度の目的は入院の期間を短縮化かもしれませんが、患者によってはむしろ長期化する可能性すらあります。私のように考える人も少なくないはずです。
参考記事:6月29日付読売新聞朝刊(東京14版)35面(社会面)「病院転々10年で70回」