大切に育てられた食材を地元で美味しく頂く地産地消。そこから生まれた地元愛に溢れるメニューは、県内だけでなく観光客、さらには県外からも人気を集めている。そんなご当地メニューで、地方の魅力を県外に発信しようとしているお店がある。
<三瓶バーガーとの再会>
都内の人気スポット下北沢を歩いていると、気になる看板が。「SANBE BURGER TOKYO」。祖父母の住む島根県にしかないバーガーショップだ。それがなぜ東京に。気になって、迷わず入店。定番の「三瓶シンプル」を注文した。そもそも三瓶バーガーとは、島根県大田市にある三瓶山のご当地ハンバーガー。島根県産牛、豚の合いびき肉で作られたパティ、地元のパン工房で特注したゴマバンズを味わうことができる。三瓶山の麓と出雲大社近くに店舗を構える。筆者も出雲大社店で食べたことがある。島根県でしか食べられなかった味が、8月に関東初出店を果たした下北沢店で食べられるようになったのだ。
<下北沢でも味わえる島根県の味>
従業員の平田雅佳さんにお話を聞くことができた。こだわりのパティ、バンズは島根県から送ってもらっているそうだ。「島根県産」へのこだわりは、東京ならなおのこと。わさびバーガーに使うわさび醤油漬けも県産。あまりの人気に島根県での在庫がなくなることもある。平田さんは、「東京にも三瓶バーガーが広がってほしい」と話す。筆者も全く同じ思いだ。
<地方の魅力、関東進出>
関東エリアに三瓶バーガーを出店展開している「株式会社WONDER FACTORY」の担当者にも話を聞いた。渋谷区に社があり、地方の飲食店を関東に出店するのは今回が初めてのこと。もともと本店との縁があり、三瓶バーガー、そして島根県を関東に広めたいという思いから進出に踏み切ったという。
「地元の食材を使うことが醍醐味。島根県で食べることができる味を、そのまま東京の人にも食べてもらいたい」
<筆者の思い>
三瓶バーガーを食べながら、島根県での思い出を振り返った。家族と頬張った三瓶バーガーも、祖父と2人でドライブした三瓶山も。なかなか帰省できない今、ご当地メニューを近くで食べることができる。これほどの贅沢はない。
参考記事:
17日付読売新聞朝刊(東京13S)30面(地域)「地域力 産金の歴史特産品に」
同日付日本経済新聞夕刊(東京3版)8面(くらしナビ)「食紀行 栃木・鹿沼の「にらそば」」
18日付朝日新聞朝刊(東京13版)24面(第2多摩)「東京ご当地紀行 郷土愛群馬あるある読み札暗記」
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