ミツロウ(蜜蝋)ラップをご存じですか?蜜蜂が分泌したロウを布に染み込ませたもので、洗って繰り返し使えるラップです。多くの家庭にあるプラスチック製とは大きく異なります。自然由来で最終的に土に返すことができます。
先月、妹がインターネットで購入し、家で使うようになりました。
私自身はこのラップの存在をテレビで知っていましたが、実際に手に取ると、思っていたより、蜂蜜の匂いが鼻につくし、手触りもべたべたとしています。これで食品を包んでいいのか、疑問に思いました。
ですが、抗菌・保湿効果があり、食品の鮮度を保てます。また、体温で表面が柔らかくなるため、簡単に形を変えることができます。 使い勝手は、いつものプラ製のラップとほとんど変わらないと思いました。
ただ弱点は、酸の強い洗剤では洗うことができないこと。冷凍できないこと。さらに熱湯消毒ができないため、肉を包むことはできないことです。
私は、主に野菜を包むのに利用しています。冷蔵庫の野菜室にカラフルなラップに包まれた使いかけの長芋やキュウリが並んでいます。
今回妹が購入したのは、ニュージーランドの「LilyBeeWrap」というメーカーのものです。高校時代に留学していた経験があり、愛着のある場所のものを買うことにしたそうです。5枚で4000円。 数百円で買うことのできるラップよりも高価ですが、柄が可愛く、購入を決めました。
使い始めて半月ほど。使うたびに、おしゃれで気分が高まります。水で洗って繰り返し使っているため、蜂蜜の匂いや手触りも気にならなくなりました。普段使っていたプラのものであれば、安価で、使い捨てということもあって、ぞんざいに扱っていたと思います。
ミツロウラップを使い始めたことで、ラップにとどまらず、物を大切に使うようになりました。今回私が選んだわけではありませんが、妹が環境のためにじっくり選んで購入していたのを知っていましたし、生産者にもこだわっていたからです。環境のことを考え、作り手に想いを馳せ、自分が大切に使い続けることができる商品を購入する。これはまさにエシカル(倫理的)消費だと、今朝の読売新聞を読んで気がつきました。
紙面によれば、エシカル消費とは、企業の人権・貧困対策や、環境保全への対応を基準に、購入する商品を選ぶ姿勢、とされています。まずは第一歩として、商品をなんとなく購入し消費する生活をやめること。商品の情報を集めたうえで、土地の文化を尊重した品、長く使える物など、自分に合った倫理観で商品を選ぶ力をつけましょう、とのことでした。
「エシカル消費」という言葉からは難しく聞こえますが、意外と身近なところからできると思いました。ラップだけではありません。自分が大切にしたいと思うものは使い続けていきたいです。
参考記事:
9日付読売新聞(東京12版)25面(くらしサイエンス)「エシカル消費 購入に必要な倫理観」