先日、結婚式の披露宴にお邪魔する機会がありました。ゲスト、司会やスタッフはマスク着用、各席には食事中でも飛沫を飛ばさないためのうちわのようなものが用意されていました。普段ならカメラやスマホ片手の人々が前の方へ集まって、座を盛り上がるケーキの食べさせ合い「ファーストバイト」も、各席からカメラを目一杯ズームして楽しみます。新郎新婦が中座している間はベランダに通ずるドアを開け、スタッフの方がゲスト一人一人にアルコール消毒をして回っていました。新型コロナウイルス感染確認が相次いでいる中、スタッフも主役の2人も、徹底した対策を講じて式に臨んでいました。
さて、私の住む愛知県では7月29日(水)に「厳重警戒」のお願いがされました。大村知事の会見の映像を見て、母が一言。「『厳重警戒』これ何の基準?」
「厳重警戒」とは、愛知県が独自に公表している指標で示された言葉です。感染状況に応じて休業要請などを判断する参考としてきました。「注意(警戒)」「危険」の二段階の指標から、27日にはさらに細分化したものに改定されました。今は「注意」「警戒」「厳重警戒」「危険」の4段階です。これを判断する項目としては、新規感染者数、陽性率、入院患者数、入院患者のうちの重症者数の四つがあります。
確かに、コロナ禍では様々な言い回しで「新型コロナウイルスへの新たな対策をしましょう」という訴えが発せられました。「緊急事態宣言」「非常事態」「愛知県緊急事態宣言」「特定警戒都道府県」「東京アラート」…一昨日7月31日には岐阜県で「第2波の非常事態」の宣言がされました。「狭い日本の中くらい、言葉を合わせようとしないのかしら」。母の言葉に思わず、うなずきました。
ソーシャルディスタンス、クラスター、オーバーシュート、ロックダウン、エピセンター…これらの言葉も、今ではわかるようになってきたものの、最初にテレビのテロップで「クラスター(集団感染)」を目にした時には違和感を覚えました。「()」でくくるぐらいなら最初から集団感染、と発表してはいけないのか。河野太郎防衛省が
クラスター 集団感染
オーバーシュート 感染爆発
ロックダウン 都市封鎖
ではダメなのか。なんでカタカナ?
とツイッターで疑問を呈したことも、話題になりました。この事態の深刻さを伝える対象は専門家だけでなく、市民一人一人のはずです。
新型コロナウイルスの危険性を、多角的に、様々な視点から捉えようとする姿勢は必要だとは思います。しかし、ここまでバラバラなうえ、横文字まで混じった用語を使って市民に訴えることはかえって混乱を生み、コロナについて知ることを諦めてしまうことにもつながってしまうのではないでしょうか。
「市民に伝える」という観点から、今一度、国や自治体ですり合わせをすることを期待しつつ、私自身は諦めずに様々な新語について学んでいきたいと思います。
参考記事:
2日付 朝日新聞、読売新聞、日経新聞 新型コロナウイルス関連記事
参考資料:
中日新聞 愛知県、新型コロナで判断指標を改定 2020年7月28日