本日の読売新聞朝刊に「海のプラごみ 問題学ぶ教材」という記事が掲載されていました。
公益財団法人「WWFジャパン」が、海を汚すプラスチックごみ問題に取り組むNGO3団体と共に教材を作ったという内容です。
振り返ってみると、この数か月、プラスチックごみ問題について考える機会が幾度かありました。まず、7月1日から始まった買い物袋の有料化。スーパーやコンビニで「レジ袋、いりますか?」と確認されるようになりました。私自身、もともとお気に入りのエコバッグを使うのが好きだったので、それほど日常は変わりませんが。
7月17日筆者撮影。
どちらもエコバッグで、柴犬のバッグは2年前から、赤いバッグはレジ袋有料化が始まる前に追加で購入して使っている。
しかし、お店によっては、アプリ会員になったらレジ袋が無料というサービスをしているところがありました。SNSを見ていると、「有料とはいえかかるのは5円程度」「家でゴミ袋として使うから、大丈夫」という声もあり、有料化がスタートした理由を考えてない人が多いのではないかと思いました。
また週刊ポスト7月3日号には、筆者の地元対馬の話題が。「韓国人観光客が消えた長崎・対馬 漂着マスクだけが激増」という題名の記事は、韓国人観光客がいなくなった島に、マスクが流れ着いていると書かれていました。新型コロナウイルスの影響で地元に帰れないので、海岸がどういう状態なのかわかりませんが、去年のことだったら筆者も覚えています。
それを踏まえての読後感は、韓国に焦点を当てすぎているということです。確かに、筆者が沿岸部を訪れた時にも、ハングルが書かれた製品はたくさんありました。しかし、それと同様に中国語や日本語表記の廃棄物も見受けられました。何も韓国を擁護するつもりはありませんが、あらかじめ「韓国」という敵を作って、叩こうとしている姿勢には、本当にプラスチックごみ問題を解決しようとしているのだろうかと疑ってしまいました。
海岸に打ち上げられたごみたち
中国から来たであろうごみ
右側のごみには中国語。左側のごみには日本語が。
3枚すべて筆者が撮影。対馬市美津島町昼ケ浦。今年1月3日
対馬では、2003年から釜山の大学生たちと一緒に漂着ごみを回収する清掃イベントを開催しています。人を恨むのではなく、協力して問題を解決しようとする姿勢が重要なのではないでしょうか。
冒頭の記事に話を戻します。筆者もこの記事を読み、さっそくWWFジャパンのサイトを開いて、教材を見てみました。たくさんの写真や小友でもわかるような言葉遣いから、この問題をどうやって多くの人に知ってもらうか、関係者は試行錯誤したのだろうなと感じました。
国が有料化を始めたから仕方ない。プラスチックごみを海に捨てているのは、自分たちじゃない。そうやって他人のせいにするのではなく、自分の問題として、多くの人がプラスチックごみ問題について関心を持つことを願ってやみません。
参考記事:
7月17日読売新聞朝刊(東京12版)くらし面「海のプラごみ 問題学ぶ教材」
2019年9月30日朝日新聞「日韓市民、心をあわせ交流 対馬で漂着ごみ清掃や慰霊祭」
参考資料:
公益財団法人WWFジャパン「海洋プラスチックごみについて考えよう」
6月15日配信週刊ポスト「韓国人観光客が消えた長崎・対馬 漂着マスクだけが激増」