日本高校野球連盟は20日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今夏の第102回全国高校野球選手権と、全国49の地方大会中止を決定しました。中止を決めた理由として、選手らの感染リスクを完全に取り除くことができないことや、球場に常駐してもらう医療スタッフの確保が難しい点が挙げられています。
このニュースを耳にした時、最初に頭に浮かんだのは、弟でした。今高校三年生で、野球部に所属しています。秋季大会は、4回戦で優勝校に僅差で敗北。夏に何とかやり返そうと努力している最中の出来事でした。走り込みや筋トレなど、つらい冬のトレーニングも乗り越え、毎日練習に励んでいました。「夏にレギュラーを奪取する」この目標は、挑戦すらできずに終わってしまいました。
このニュースを聞くや否や、「何で?何で?」と嘆きながら自室に引きこもりました。野球に本気で向き合っていたからこそ、現実として受け入れることが難しかったのでしょう。
私は、正直かける言葉があまり見当たりません。でも、彼の頑張りはずっと近くで見てきましたし、その頑張りを認めて褒めてあげたいです。
SNS上でも、同様に悲しみや慰めの声で溢れています。タレントの稲村亜美さんは、Twitter上で「夏の甲子園の中止は、寂しいし悲しいです」と思いを綴っています。また、お笑い芸人のゴルゴ松本さんはブログで、「枯れるまで泣いて、未来に向かって立ち上がれ」と球児たちを鼓舞しています。
その一方で、一部の人からは「野球だけ開催はおかしいから、中止は当たり前」など冷ややかな声も投稿されています。まず、野球だけずるい、ずるくないの極論に走る前に、球児の頑張りを認めましょう。彼らは何も悪くないのです。野球以外のスポーツであっても、それは同じです。今日までの頑張りは、誰かの励みに、勇気に、希望になってきたはずです。私もその一人。今度は、私たちが、球児たちを励ます番。せめて、都道府県別の独自大会を開催して、花道を作ってほしいと思います。
参考記事
15日付 読売新聞朝刊 1面 「夏の甲子園中止」関連記事18、19、27面
15日付 朝日新聞朝刊 1面 「夏の高校野球選手権中止」関連記事10、13、14、15、29面
15日付 日本経済新聞朝刊 29面(スポーツ•BS•CS)「夏の甲子園 中止決定」関連記事31面