早まらないでください。ゆっくり考えましょう。

政府は4月末、望ましい電源構成として、20〜22%を原発からの電源とする案をまとめました。どの原発が、いつから再稼働することになるのでしょうか。

20日、原子力規制委員会は、四国電力伊方原子力発電所3号機が基準を満たしていると発表しました。ただ、安全審査に「合格」しても、現地検査などいくつかの手続きが残り、再稼働時期は見通せない状況です。四国電力としては、年内の再稼働を見込んでいますが、人員不足などで、今後の工程が後ろにずれ込む可能性もあるそうです。決まったことは、速やかに、期限内に行って欲しいものです。

いや、本当にそうでしょうか。読売新聞では、時期の問題に焦点を当てていますが、そもそも、その「合格」は、正しい判断だったのでしょうか。朝日新聞は社説で、住民の避難計画が不十分であることについて批判しています。特に、伊方原発は立地条件から、避難に時間がかかることもあり、住民の不安も強いそうです。

たしかに、電源構成を決定し、どの原発を、いつから再稼働するか、を早急に考えなければ、と焦る気持ちはあるでしょう。ただ、早まらないでほしい。焦らないでほしい。一度決めたら簡単には引き返せません。考えるべきことは、ゆっくりと、慎重に議論する必要があります。

 

参考記事:

5月21日付 読売新聞朝刊(13版)総合面「伊方原発 新基準合格」

5月21日付 朝日新聞朝刊(12版)オピニオン面「見切り発車はだめだ」

5月21日付 日経新聞朝刊(12版)視点・焦点面「電源構成・温暖化ガス削減案固まる」