コロナで浮き彫り モラルの低下

日本人と言えばお行儀がいい。海外ではそう思われているようです。筆者は昨年の冬にヨーロッパ旅行に行きました。その時、現地ガイドに「電車に乗るときやトイレに並ぶときは詰めて並ばないと割り込まれるし、空いたらすぐ入らないと横入りされるのが普通です。日本みたいに行儀がいいわけではないから」と言われました。ですが、国内での新型コロナウイルスの感染拡大により日本人のマナーに変化が起きていると感じています。

3月上旬ごろからコロナの影響により各地でマスクや消毒液が不足し、ドラッグストアには人だかりができるようになりました。朝に行っても入荷がなかったり、人が多くて商品を買うことが難しくなったりしています。家族分は手に入れたいと2~3日に一度をめどに訪れるたびに気づいたのが、人々のモラルの低下です。おひとり様1点までと書かれているのに平気で二つ以上レジに持っていく人。マスクを買うために並んでいる列に割り込もうとする人。列に並ばず、店の入り口から入ってマスク売り場に向かおうとする人など様々です。

お世辞にもマナーがなっているとは言えない行動をみる度、ショックを受けます。外国で物資を取り合い喧嘩する人々を見て「マナーがなってない」と呆れながらも、ひょうきんにさえ感じられていたのに、他人事ではなかったと痛感させられました。

世界中に新型コロナウイルスが蔓延し、新聞もテレビもそのニュースばかり。何だか暗い気持ちになります。そんな中、14日東京では史上最速で桜の開花が宣言されました。散歩中に見かける桜のつぼみをみると少しだけ明るい気持ちになれます。同じ日、福島県ではJR常磐線が全線で再開しました。福島第一原発事故からの復興に向けて進んでいます。

明けない夜はありません。皆が苦しい時だからこそ周りを見る視点や譲り合いが必要です。

参考記事:
15日付 朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞朝刊 コロナウイルス、桜開花、常磐線関連記事