新型コロナウイルスが最初に中国で確認されたのが昨年12月のこと。それから3か月以上が経過しましたが、中国本土をはじめ世界各国でウイルスへの感染者が次々と確認され、各国が警戒感を露わにしています。
そんな中、安倍総理大臣は全国の小中高校に対して休校を要請しています。早い自治体では昨日から休校に踏み切った学校もあり、平日にもかかわらず街中に子供の姿が確認できます。
休校の要請に対しては賛否が分かれています。多くの子供が狭い教室で交流することでウイルスが拡散し、その子供が家に帰って高齢者を含めた家族にうつしてしまうことのリスクを考えて評価する声がある一方、共働きや母子・父子家庭への影響を懸念する声もあります。実際、筆者の住む兵庫県でも、大半の自治体では政府の要請通りに休校に踏み切る一方、小野市では今も通常通り学校で授業が行われています。
政府の初動対応に対して疑問の声がある中で、おそらく政府が休校要請を行わなくてもそれなりの批判があったはずです。賛否両論ある中で、強いリーダーシップで休校を要請したこと自体は評価できると思います。
しかし、現在困難に直面しているのは子供とその家族だけではありません。学校へ給食の食材を卸している業者は、急遽キャンセルになった食材の行き場に頭を抱えています。滋賀県で全19市町に食材を納品する「嶋林食品センター」(栗東市)では一連のキャンセルによりおよそ5000万円の損失が出ると予測。また、大津市の24小中学校の給食を担う東部給食共同調理場(大津市)は、1万7000食を1日に作れる国内2番目の規模として今年1月に稼働したばかりだといいます。
また、学校給食用の牛乳の扱いも課題です。この量は人間の力では調整できないために、チーズやアイスクリームの生産を増やしたり、泣く泣く廃棄したりするケースもあります。
そんな中、農林水産省は牛乳や乳製品の消費を呼び掛けています。また、明治「おいしい牛乳」のホームページでは、日ごろの食事に少し手間を加えて牛乳を使ったメニューを公開しています。
明治のホームページ。いちごのミルクレープやミートドリア、ビーフカツのデミミルクソースがけなどバラエティに富んでいる。
ほかにも、暖冬でただでさえ値段が安かった野菜や、ホテルや居酒屋で消費されるはずだったマグロなどの魚も値段が崩れています。また、卒業式で使うはずだった生花もキャンセルが相次ぎ値下がり傾向にあります。
自宅で過ごす機会がいつもよりは増えている現在。私たちにできる小さなことを積み重ねていくしかありません。まずは、生産者を応援するためにも、牛乳を飲んで、たくさんお野菜を食べて、値段が下がったたくさんの食材の美味しさをあじわってみてはいかがでしょうか。
参考記事:
3日付 読売新聞朝刊14版 33面(社会)「児童預かり バタバタ」
参考資料:
農林水産省ホームページ
https://www.maff.go.jp/j/saigai/n_coronavirus/index.html
明治「おいしい牛乳」ホームページ
https://www.meijioishiigyunyu.com/recipe/
京都新聞「突然の休校、給食業者に衝撃 「涙止まらない」国に補償要求へ 発注済み2万食どうなる」
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/174321
時事通信「新型コロナ、高級魚取引に打撃 外食不振でマグロなど安値―豊洲市場」