いじめは解決できるか

 今日の朝刊で、文部科学省の平居秀一生徒指導室長と、千葉大学の藤川大祐教授が学校に根付く「いじめ」の現状と今後の課題について論じていました。

 記事で藤川氏は「被害者を注意深く見守るという対応の方が現実的」「教室には、いろんな子どもがいて当たり前、異質だと感じるものを許容できるようになっていくのが本質的ないじめ解決の道」と主張しています。これに対して平居氏は「いじめをしてしまう背景に何があるのか、加害者が抱える問題をしっかり究明していくことが必要だ」と語っています。二人の意見は異なるものでした。

 私は平居氏の意見に賛成です。私は中学校時代にいじめを受けた体験があります。先生方の計らいによって仲直りできたものの、その加害者は他の生徒に目を付けて懲りずいじめを繰り返していました。後で分かったことですが、その生徒は父親から日常的に暴力を受けていて、ストレス解消として弱い者いじめを行うようになったそうです。結果的にその生徒は何の措置も受けずに学校に来なくなりました

 この場合、ある意味で被害者でもあった加害生徒が教育を受けなくなると、非行や犯罪に手を染めることになりかねません。そこで大事になっていくのが問題を抱えた生徒との話し合いの場を設けることではないかと強く考えます。

 記事で平居氏は「有識者会議で検討しているが、学校に配置されたスクールカウンセラーの仕事に『いじめをした子へのカウンセリング』を盛り込むといったことが考えられる」と述べています。また、カウンセリングだけでなく、定期的にクラス内の人間関係を知るためのアンケートを行ったり、いじめが発生した場合、その加害者の自宅を訪問したりするなどの処置も加えることが重要でしょう。

 最近では、中学生が殺されるという事件が発生し、犯罪の低年齢化が問題となっています。青少年とのコミュニケーションを密に行い、彼らの抱える問題を究明して共に解決する環境を整えることで、このような悲しい事件を減らし、安定した社会を構築できるはずです。

11日付け 読売新聞朝刊 12版 23面 くらし 教育 「教育ルネサンス いじめをしないために」


未分類 編集部ブログ