昨夜、テレビで報道された2つの児童虐待事件が今朝の朝刊で掲載されました。暴力団組員の永富直也容疑者が同じマンションに住む女性の長男の新井礼人ちゃんを一時間にわたって殴る蹴るなどの暴行を加えて死亡させた事件と、託児所の女性保育士が男児の顔に粘着テープを貼るなどして逮捕された事件です。ただでさえ児童の虐待が騒がれている中で、こうしてまた幼い命が脅かされていくと思うと胸がとても苦しくなります。
時事ドットコムで掲載された厚労省のデータによれば、児童虐待件数の推移は2014年で8万8931件を突破し、その前の年の2013年より20.4%増加しており、今後も更に急増していくのではないかと危惧しています。
このような卑劣で痛々しい事件が多くなっているのは、やはり、慢性的な育児へのストレスや夫婦喧嘩、子供への誤った躾、虐待されていた過去等の親権者の精神的要因と、莫大な養育費、住民同士の過疎化等の社会的要因が大きく関連しているのではないかと思われます。現に、記事で「区の担当者は『情報なしでは家庭内には入れない。兆候なく起きる虐待を防ぐのは難しい』と漏らした」と書かれているように、虐待の早期発見が難しくなってきているようです。
そこで大切になってくるのは近隣住民との友好関係を築くことではないでしょうか。地域住民同士とのコミュニケーションを良く行い、親密化を意識的に図ることによって悩み相談や、胸の内に抱えている不安を打ち明けやすくなり、早期発見に繋がるかもしれません。こうした取り組みを広めていくことで多くの幼くて尊い命を守れると強く考えております。
1月28日付 読売新聞朝刊 14版 社会37面 「3歳死亡 同居男逮捕」,「保育士、6歳を虐待容疑」