海賊版サイトをきっかけに

本日の朝日新聞朝刊によると、埼玉県の中沢佑一弁護士は、政府が打ち出した、漫画やアニメがアップロードされた特定の「海賊版サイト」への接続を遮断するという方針に対して違法だとし、インターネット接続事業者であるNTTコミュニケーションズに対して訴訟を起こしました。

(海賊版サイト、いたちごっこを防ぐために人々に海賊版に手を出さない心を)など、あらたにすでは過去に何度も扱った海賊版サイト問題ですが、これまでは「消費者である我々の意識」が問題と捉える主張でした。確かに、「無料だから」という理由で使っていた消費者は少なくないと思います。ですが、本当にこのようなサイトが無くなったら消費者は再び漫画を買うようになるのでしょうか。

インターネットが発達したことにより、これまで以上に新たなコンテンツとの出会いが多くなったように感じます。漫画と同様、業界全体の衰退が叫ばれている音楽業界もそうです。昨年、ストリーミングサービスである「Google play music」に加入しました。これまでは、YouTubeで何曲か視聴し、気に入ったものをレンタルショップでCDを借りて曲を取り込んでいました。加入後は何千万曲が聴き放題となるので、これまでの作業は必要なくなり、大変便利だと感じています。一方、好きなアーティストのCDに関しては、応援の意味も込めて購入をしています。

海賊版サイトは決して許されるものではありません。一方で、コンテンツとして、時代に合った販売方法を考えるべきだと思います。「コミック漫画を読む」ことは娯楽の一つであり、他の娯楽のほうが手軽に楽しめるとなると、消費者は離れてしまいます。そこで、音楽と同様、漫画やアニメも「ストリーミング」の時代が来たのではないでしょうか。すでに講談社は6誌定期購読サービスを開始するなど、着実に波は来ています。

参考記事:
27日付 朝日新聞朝刊(東京14版)34面(社会)「海賊版サイト 遮断は「違法」」