ロボ兵器と共存する未来

オバマ大統領が4月の来日時に二足補講ロボットとサッカーに興じ、安倍首相は6月にロボットに寄る介護補助を体験した。ロボットがインターネットに続く「次の産業革命」の主役であることを示す象徴的な光景であった。(日経新聞経済教室)

たしかに。通信大手・ソフトバンクが人型ロボットpepperを発表したり、ロボットの進化はますます著しいように感じます。既になくてはならない存在になっている工業用ロボット、これから開発が進むでろう人々の日常に寄り添うロボットの他に、「ロボット兵器」という分野があるのをご存知ですか。

ロボ兵器、想像しやすいものを挙げるとすれば、無人偵察機です。無人偵察機の保有国は80国あまり。私は知らなかったのですが、日本も保有国のひとつです。その他にも爆弾処理ロボットなどの無人陸上車両、機雷捜索用の無人水中航走体もすでに存在しているそうです。

ロボット兵器が開発・使用されるのは省力化に加え、兵士に加えてデンジャラス(危険な)・ダーティー(汚染された)・ダル(単調な)・ディープ(奥深い)「4D任務」を遂行し、攻撃側の犠牲者を出さないからである。

なるほど、ロボットが進化すれば、味方の犠牲者を出さずして快適な環境の司令室で命令を出すだけで、攻撃を加えられるようになります。現在のロボット兵器は人間の命令でしか標的を選択できない「人間統制型」や、事前に設定された標的を自動的に探知・追尾・迎撃するが、人間が戦闘行為を途中で停止できる「人間監視型」ですが、最近はその自律性を高める研究が進んでいるそうです。人工知能を含む研究がさらに進めば、「涼しい司令室」さえ不要になるかもしれません。筆者はその出現を20〜30年後としています。

しかし、これは正しいことなのでしょうか。完全自立型殺傷兵器が出現すると、映画「ターミネーター」の如く、殺人ロボットが戦場で自分自身の判断で人間を殺傷する日がくるかもしれません。NGOなどが国際条約作りを目標に活動をしており、国際会議も開かれています。国家・軍人・科学者・倫理学社・国際法学者など、さまざまな人が議論をしています。

ロボ兵器に賛成ですか。どんな場面なら使うことが許されるのでしょうか。どんな倫理的問題があって、それでもなぜ使っても良い(だから使ってはだめ)なのでしょうか。ご意見お待ちしております。

31日付け日経新聞(大阪14版)30面(経済教室)ロボ兵器の規制論 注視を