こだわりのブックカバー、探してみませんか?

卒論のテーマ探しに、必死に本を読み漁る日々です。「電車の中では、ほとんどの人がスマホを使っている」と言われるようになりましたが、本を片手に車内を見渡すと、読書をしている人もちらほら見かけます。

何の本を読んでいるのか、あまり知られたくない。そんな時、ブックカバーを重宝しています。大学生協では「UNIV. CO-OP」と書かれた水玉のカバー、東京の銀座堂書店では洋風の街並みが描かれたカバーが用意されて、どちらもお気に入りです。三省堂書店やジュンク堂書店、八重洲ブックセンターなどのは店名が印刷されています。

ブックカバーの歴史は大正時代から。古本屋を中心に広がっていったと言われています。カバーは書皮とも呼ばれ、大正14年から昭和5年まで発行された雑誌「愛書趣味」や、大正15年から昭和9年まで発行された朝日新聞調査部の部報「読書標」に、書皮に関する連載や記事がありました。

1983年には「書皮友好協会」というブックカバーを愛する団体が発足。2015年までは年に一度、優れたカバーに「書皮大賞」と銘打った協会賞を贈っていたほどです。

 

上段:左から消費生活センター、銀座堂書店、三省堂書店
下段:左から旭屋書店、ジュンク堂書店、大学生協(筆者撮影)

 

残念ながら書皮収集を趣味にしている人は、筆者の周りにはいません。それでも、今年1月にはドトールコーヒー都営馬喰横山店(東京都中央区)で、東京都交通局とコラボした限定ブックカバーが配られました。ツイッターを見ると、乗り鉄と呼ばれる鉄道ファンや駅利用者の間で話題になっていました。今でも珍しいブックカバーは注目されるのかもしれません。

8日には、神保町書店街のシンボルとして知られている三省堂書店神保町本店(東京都千代田区)が建て替えのため、一時閉店します。連休最後の週末は、本屋で気になる本を手に入れ、カバーをかけてもらってはいかがでしょうか。

 

普段はファスナー付きのブックカバーを愛用しているが、気に入った包装紙で本を包んだことも(筆者撮影)

 

東京都千代田区にある三省堂書店神保町本店(2日、筆者撮影)

 

参考記事:

5月4日 毎日新聞 「三省堂本店『いったん、しおりを』 建て替えで8日一時閉店」

2018年12月5日 朝日新聞朝刊「『カバーおかけしますか』120枚 静岡・中西さん、収集40年の証し」

1988年11月25日 朝日新聞朝刊「本屋さんの包装紙「書皮」も文化 神田で展示」

 

参考資料:

三省堂書店 「神保町本店 営業日延長のご案内」

書皮友好協会ホームページ