「食わず嫌い」しないモラトリアム

23日付の読売新聞を読んでいると、私が大学受験時に視聴していた世界史のYouTubeチャンネルが紹介されていました。

当時はそこまで意識しませんでしたが、なかなか独特なスタイルで世界史を教えていたのだと改めて気づかされました。1つの地域に絞ってストーリー仕立てにすることにより、学生が苦手意識を持ちやすい世界史のごちゃごちゃとした地域や年代といった部分を克服しています。

インターネットに気軽にアクセスできる今日では、あらゆるコンテンツを備えている便利な手段を使わない手はないと思います。この世界史の講座もその一つです。

確かにインターネットの情報というのは、その情報源が定かでなかったり、根拠に乏しいものが混在していたりします。そのため、情報の受け手である私たちに「メディアリテラシー」が一定程度備わっていることが、活用する際の最低条件となるのは間違いありません。しかし、そのような条件をクリアしているのならば、様々な視点からの情報が詰まっているインターネット上のコンテンツは使い倒すぐらいの姿勢でもいいのではないでしょうか。

しばしば勉強にはあたかも正攻法があるかの如く言われることがありますが、一人ひとりの能力が違うのならば、それぞれの正攻法も異なります。多くのものに触れることで、自分自身に合った学び方も見つけやすくなりますから。

「インターネット至上主義」を唱えているようにも思われてしまうかもしれませんが、要は「食わず嫌い」せずに様々なものを摂取し、合うもののみを自分自身に中に「吸収」してしまえばいいということです。この点において、煩わしいと感じられることがあるインターネットの「多様性」は大きな利点だと考えます。

高校や大学で、よく先生から「学生のうちにたくさん本を読んでおきなさい」「いろいろな事を経験しなさい」という事を言われました。このような助言のすべてが「勉強の正攻法」につながるものではありません。ですが、やはりできるだけ多くの物事に触れる機会を持つことは、それがどんな形であっても、自身の専攻が何であっても、学びの一助になることには間違いないでしょう。

今月から、この「あらたにす」で記事を書くようになって、「○○学部だから」「○○専攻だから」などと自身の学習範囲を狭めることなく、一見疎遠そうなことにまで視野を広げ、知見を得ることの大切さをひしひしと感じています。

 

参考記事:23日付 読売新聞夕刊(東京4版)7面「動画で世界史」