【終わらざる夏】hiroyama-musui・広島県廿日市市・59歳(2010年8月30日)
平和な世の中だったら米国に住み、アメリカ文学を翻訳し、日本に紹介したかった片岡。45歳で召集され北千島の占守島へ。それは大本営が日本の敗戦を想定し連合軍に対し平和的に武装解除を行うための通訳として計画されたものだった。その隠蔽のため指が欠けているにもかかわらず四度目の召集となる軍曹(年老いた母親を一人残し)や軍医も合わせて占守島へ。
日本が敗戦した後やってきたのは米国でなくソ連。彼の国の指導者たちが領土的野心を持ち攻撃してくる。彼の将兵たちは対独戦争に勝利し故郷に帰れると思っていた戦士たち。日ソの兵隊たちは理不尽にも戦いを始める。それは決して国に忠誠をつくすためでなく愛する人たちや故郷の為。むなしい戦いが始まる…。
この小説は多くの人達に読んでもらいたい。戦闘のむなしさや平和の有難さを考える一冊であり、読み継がれていってほしいと思う。
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【誇りだけはまだ失いたくないです】芋蓮斎・徳島市・69歳・無職(2010年6月21日)
本論を私は秀逸と持ち上げた手前、私にも責任はあるだろう、と考えて書かせてもらいます。批判の4点、私もほぼ志村氏に同感です。GHQはやはりやりすぎだ、と思いますが、アメリカの占領国家で日本ほど戦後統治が巧くいった国は無いらしいですから、GHQもそんなに厳しくやることも無かったかもしれません。戦後統治がいかに困難かは、アフガンとイラクの今を見れば贅言不要でしょう。
日本人はホントに治め易いのも沖縄でのアメリカの対応でよく解ります。「武士道精神」には私も複雑な抵抗があり、志村氏にこれも同感です。「誰もが」は、ここでは言葉の綾でしょう。
私がこの論説をここに取り上げたのは「とにかくより多くの日本人に一度目を通していただきたい、と切に思う。日本と日本人の今の理解とこれからの進むべき方向へきっと目を開かれると思う」と考えたからです。現在の日本の閉塞状況と日本人の疲弊感にいたたまれなくなった故の推薦でした。少しでも自分の国を誇れるものと思い、自己の誇りをも取り戻してもらいたいがための推薦投稿でした。あらためてより多くの方がこの論説を一読くださることを願うのみです。その意味でも、志村氏の反響には感謝あるのみです。ありがとうございました。
【「日本国民に告ぐ」批判】志村英盛・76歳(2010年6月17日)
私は特に次の4点で藤原教授の断定に反対です。
まず、日中戦争はまぎれもなく侵略戦争であり、特に満州事変と南京進撃は昭和天皇、政府、陸軍中央部を完全無視して現地軍が起こした独断軍事行動という見解です。
GHQが種を蒔き日教組が育てたWGIP「国家自己崩壊システム」が今なお機能しているという断定には呆れかえるよりほかありません。日本国民の強い戦争反対意思は、戦争で最愛の家族を失い、あるいは戦争の惨禍を体験した結果、「二度と戦争に巻き込まれたくない」との意思が広く支持され定着しているもので、別に米国の謀略に乗せられた結果ではありません。
「誰もがモラルを失いつつある」ということは、「武士道精神」を信奉する藤原教授の目にはそう見えるかもしれませんが、数学確率的に冷静に判断すれば「誰もが」は事実ではありません。
「何もかもがうまくいかなくなっている」と断定していますが、敗戦前には全くなかった「日本は平和通商国家として生きる」ための基盤が根本から崩れているわけではありません。問題が山積していることは事実ですが、政治システム、教育システム、社会保障制度など、日本は北欧と並んで世界トップレベルです。全部は否定しませんが、藤原教授が断定されていることのほとんどに賛同できません。
【「日本国民に告ぐ」藤原正彦】芋蓮斎・徳島市・69歳・無職(2010年6月17日)
『文藝春秋』7月号にあの『国家の品格』の著者藤原正彦氏が「日本国民に告ぐ」を書かれている。『ドイツ国民に告ぐ』のフィヒテのひそみに倣った、と。家内の買い物の足として、近所に並び建つスーパーによく行く。家内が買い物の精算と袋詰めをしている間にこの店に置いてある「文春」に必ず目を通す。立ち読みばかりではスーパーに済まないので、買って帰って読みたい読まねばならぬと思う記事があると購求する。
滅多にないのだが、今月号の藤原氏の記事には冒頭から引き込まれ直ぐに購った。冒頭節の後半部は、薄々は知ってはいたことだが、これほど日本の政治がアメリカのいいなりに大きく動いているのだと思うと怒りがこみ上げてきた。小泉元首相の取ったあの珍奇な改革も殆どがこのアメリカからの「年次改革要望書」に沿ったものであったことを改めて確認して、はらわたが煮えくり返る思いだった。向こうの大統領と特別仲が良いように振る舞う首相は危ない、と思った。対等ならそんなに喜悦満面の顔をわざわざすることもないだろう。プレスリー記念館か?で、腰を屈めてギターを奏でる小泉さんを視るブッシュ大統領の目は奇人変人を見る目と言うよりむしろ蔑視線にさえ、私は感じた。2発も原爆を落とされた国の首相が落とした国に行ってやるような振る舞いじゃない。その軽薄さ
に寒気がした。このパフォーマンスばかりで何の実りもないただ日本の旧き好き伝統(ここに渡辺京二著『逝きし世の面影』から引かれている諸文のような風習。昨年末に読んだが、これもできれば自虐史に傾いているような寂しい日本人にぜひよんでいただきたい)を壊しただけの首相の尻拭いをしているのが現在の政治だ。
藤原正彦氏の論説の話だった。戦後も戦争直前もアメリカがいかに日本と日本人を骨抜きの国家・国民に仕立て上げたかったかが、よく解る論だった。素直に理解したくない日本人もきっと少なくないだろうが、好き嫌いは今置いて、とにかくより多くの日本人に一度目を通していただきたい、と切に思う。日本と日本人の今の理解とこれからの進むべき方向へきっと目を開かれると思う。見ても見なくても聞いても聞かなくても大したことはないメディアに溢れる凡百の論説より役に立つし、私たちにいま最も無いもの、つまり誇りについて再考させてくれるだろう。日本は、アメリカにこんなに掴み崩される前には、独自の文化と文明を持っていた国だった、ことにも気付かせてくれる。近ごろ稀に見る秀逸の論だ、と私は思う。
【ひとりの午後に】藤木ごんすけ・東京都小平市・50歳・主婦(2010年6月14日)
「歳を重ねて思うこと」的なエッセイ集。肩の力をぬいて、そのまま的なイメージ。編集者が上野千鶴子の今まで知られていない部分を書かせたという。禁を犯して感じたことを書き過ぎたかもしれないと著者は書いているが、その感じたことが、論客上野千鶴子のイメージからすると案外凡庸で、そのギャップが又よろしい。いつまでも肩書きにこだわっていると煙たがられるなどというのは、普通のおばさんだって感じていることだけど、上野千鶴子に言われ
ると何だかすっきりするのである。
どちらが良い悪いの評価ではない。差別でなく区別として、結婚した女・しない女、離婚した女・しない女、子を持つ女・持たない女、産んだ女・産まない女、それらの女たちは、あきらかに区別
できる人生を歩いてきたし、歩いている。それ以外の立場に立つことはないなどと読みながらぼんやりと考えた。
【沖縄イメージを旅する】サマーブルー・東京都中央区・53歳(2010年5月26日)
サブタイトルが、柳田國夫から移住ブームまでというものです。沖縄と本土の関係を戦前から現在までの長期的な視野で考察された良い本です。文化的な面、心情的な面など興味深い章が多くあり、研究論文がベースであっても著者の優れた人間性が窺える内容でした。普天間問題もその背景がよくわかります。
【乱神】じんぱち(2010年5月24日)
高嶋哲夫氏の最新作。中韓との歴史問題の混乱の中、日本初の他国からの侵攻対処であった『元寇』をテーマにした、一気に読みきりたい作品。映画への製作委員会の誕生が期待される。
【『名文どろぼう』を読む】芋蓮斎・徳島市・68歳・無職(2010年5月6日)
読売新聞のコラムを2001年来書き続けておられる竹内政明という方が書かれた『名文どろぼう』という本が書評に載っていてべた褒めなので買ってきて読んだ。「あらたにす」が始まって、三紙のコラムを並べ読めるのを喜んだ。事もあろうに分不相応に、同日同材が扱われていると、比較しやすいのでつい比読を始めた。日経は、経済中心なので私の守備範囲ではない。
「天声人語」と「編集手帳」をついつい読み比べる。烏滸がましいことこの上ないが、大体軍配は読売である。中でも読売は、時に唸らせるほどのものがある。それこそ伝説のコラムの泣菫の「茶話」の域に既に到れりと思えるものも数ある。二紙の比読を偉そうに投稿したこともある。(【【新聞記事はやっぱり最高です、が】西島氏コラム4/16と【文章の難しさ】4/20を参看ください)竹内氏が編集手帳を書かれているなどとはつゆ知らず、事情を知って赤面でした。今ごろ気づいて羞ずかしいという気持ちでいっぱいですが、かたや自分の満更でもない炯眼?に気を良くもしています。
いくら料理の素材が良くても、それを組み合わせ纏め上げる力は料理人の手際にかかっている。古今東西から縦横無尽に引いてくる名文秀句もさることながら、それらを生かすも殺すも筆者の手際、その組み替え練り上げの見事さに何度も舌を巻く。いな舌鼓を打つ。悲喜こもごもの涙あり笑いありで、哀愁も又一味濃い。「修
学旅行を見送る私に「ごめんな」とうつむいた母さん、あの時、僕平気だったんだよ」(「母親と涙腺」)。「あなたに褒められたくて」と高倉健さんもその人の為に一所懸命に生きて来たことを書いています。
自分のことで気が引けますが、父が37歳で戦死した時、母は10歳の長男を頭に次男長女三男の二つずつ違いの4人の子持ちでした。三男の私は母が優しく笑ってくれるなら、とそのことのみを思いつつ生きて来ました。母が逝った時、自分の人生も終わった、と感じました。殉葬の風習が身近に感じられました。母を泣かすまいと私なりに頑張って実直な仕事をしてまいりました。ああ、名文の話でした。そうです。これが私の迷文です。「偉大な芸術家は、模倣せずに盗む」(ピカソ)と。
盗むだけでは芸がない。「人は好んで才能を云々したがるけれど、個人の才能とは実のところ伝統を学ぶ学び方の才能にほかならない」(丸谷才一)と。学び方とは、詰まるところ、学んだ種々を掻き混ぜて、自分の言葉で再び組み替え練って織り上げる、これが言葉に関係する知の創造なのかな?と実力と不相応な生意気なことを考えています。その見事な完成態がこの『名文どろぼう』にはあると思います。これを盗むことだ! でも言葉を盗むことは、物や金を盗むどろぼうよりもっと難しい。それは人の心を盗むことだから。
【甦るカンボジア?「伝統」の再生】モンスーン・東京都杉並区・49歳・会社員(2010年3月8日)
長い内戦を経て、ようやく平和を迎えたカンボジア。だが、人々の暮らしは、自然環境は、伝統文化の存在はどうなっているのか。
1995年に活動を開始した森本喜久男は、精緻な絣柄の絹織物の存在とその危機的状況を前に、まず養蚕再開に着手。そして、現地にIKTT(クメール伝統織物研究所)を設立し、高度な染織技術をもつ“おばあ”を探し出し、彼女らに仕事を作り、それを若い世代へと継承させていく。さらには、技術の継承だけでは伝統織物は復興しえないと判断、織り手たちの暮らしの再生と、素材を含めた自然環境の再生を包括する「伝統の森」再生計画を始動させた。
本書『カンボジア絹絣の世界』(森本喜久男/NHKブックス)では、現地に「新しい村」を作り上げるまでになったこれまでの経緯と出来事が、その活動の発端となったカンボジアの伝統織物への言及ととともに語られている。
【医療と介護、明日はわが身】ノリリン・横浜市・女性・自営業(2010年1月18日)
15年前の1月17日未明、阪神・淡路大震災で私も被災しました。社屋が崩壊して大阪に移った会社での超多忙な毎日で疲労困憊して、腎臓を痛め体中の関節の痛みで受診した所、難病と診断されて3ヶ月の長期入院を経験しました。発病してからの15年間は医療全般の知識を得るために本の虫となり、医師やナースや患者が書いた本を読み漁りました。
書店で医療一般の棚を見ていた時に『安全保障としての医療と介護』(鈴木厚著、朝日新聞出版) が目についたのです。早速ページをめくってみると日本の医療崩壊の現実と介護の問題点を、分かり易い言葉で説明して具体的な改善策も提言している本でした。第一線で働いて毎日超多忙な臨床医がこれだけ詳細なデータを調べ上げて書かれた事に驚き、感動しました。86歳の母が毎日数ページずつ読んでいます。携帯ばかりで本離れしている若者にも読んで欲しい、そして何より日本の政治家には絶対に読んで欲しい一冊です。
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