【甦るカンボジア?「伝統」の再生】モンスーン・東京都杉並区・49歳・会社員(2010年3月8日)
長い内戦を経て、ようやく平和を迎えたカンボジア。だが、人々の暮らしは、自然環境は、伝統文化の存在はどうなっているのか。
1995年に活動を開始した森本喜久男は、精緻な絣柄の絹織物の存在とその危機的状況を前に、まず養蚕再開に着手。そして、現地にIKTT(クメール伝統織物研究所)を設立し、高度な染織技術をもつ“おばあ”を探し出し、彼女らに仕事を作り、それを若い世代へと継承させていく。さらには、技術の継承だけでは伝統織物は復興しえないと判断、織り手たちの暮らしの再生と、素材を含めた自然環境の再生を包括する「伝統の森」再生計画を始動させた。
本書『カンボジア絹絣の世界』(森本喜久男/NHKブックス)では、現地に「新しい村」を作り上げるまでになったこれまでの経緯と出来事が、その活動の発端となったカンボジアの伝統織物への言及ととともに語られている。
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【医療と介護、明日はわが身】ノリリン・横浜市・女性・自営業(2010年1月18日)
15年前の1月17日未明、阪神・淡路大震災で私も被災しました。社屋が崩壊して大阪に移った会社での超多忙な毎日で疲労困憊して、腎臓を痛め体中の関節の痛みで受診した所、難病と診断されて3ヶ月の長期入院を経験しました。発病してからの15年間は医療全般の知識を得るために本の虫となり、医師やナースや患者が書いた本を読み漁りました。
書店で医療一般の棚を見ていた時に『安全保障としての医療と介護』(鈴木厚著、朝日新聞出版) が目についたのです。早速ページをめくってみると日本の医療崩壊の現実と介護の問題点を、分かり易い言葉で説明して具体的な改善策も提言している本でした。第一線で働いて毎日超多忙な臨床医がこれだけ詳細なデータを調べ上げて書かれた事に驚き、感動しました。86歳の母が毎日数ページずつ読んでいます。携帯ばかりで本離れしている若者にも読んで欲しい、そして何より日本の政治家には絶対に読んで欲しい一冊です。
【『顧客の信頼を勝ちとる18の法則』】ゆん・東京都・40歳・会社員(2009年11月24日)
私は、マーケティングを専門に扱う実務家です。今まで、かなりのマーケティング本を読んできましたが、似たような内容でがっかりするものがほとんどでした。
山岡 隆志(著)「顧客の信頼を勝ちとる18の法則 アドボカシー・マーケティング」(日本経済新聞出版社)は、オリジナリティに溢れ、思慮深く、斬新な内容であり大きな世界観がうまくまとまって書かれた良書中の良書だと感じました。既に何度も読み返しており、数少ないバイブル書となりました。経営者の方にとっては、とても役に立つ一冊だと言えます。
「徹底的に顧客側に立って物事を考え実行する信頼ベースのマーケティング手法」であり、日本の商売の原点とも言うべき商売哲学が、最新の豊富な事例とともに紹介されています。
【いざ知の世界へ旅立たん!】芋蓮斎・徳島市・68歳・無職(2009年11月12日)
できぬことを承知していながらもなおできることなら世界を丸ごとガシッとつかみ取りたい、という途方もない野望に時として駆られることがある。自分の見識の狭さに嫌というほど気づかされた時である。
松岡正剛氏に『千夜千冊』という読書感想文を書き連ねたブログがある。半分くらいは読ませていただいただろうか。千冊を越えてなお書き継いでいる。次いでこれらを分類体系化した巨著も出版されている。止まることを知らぬ知への飽くなき欲求には驚くと共に自然と頭が下がる。一人の人間は、生涯にどれほどの本を読めるのだろう。ただ量を増やすだけでは、単なる物知りだ。その蓄えられた知が再び組み替えられ体系化されて、私たちの生き行く道の指針や道標となってくれれば、その知には限りない価値がある。
千篇を越える読書感想文が、新しく組み替えられ再構成されたこの知は、私らの世界の理解にどこからでも役立つように設えられている。正に壮観・偉観と言っていい。ゾクゾクするような聳立(しょうりつ)である。この巨大なる知性の集合体、この人のバックに拡がる果てなき広野、聳(そび)える高山、身竦(すく)むほどの深渓にたじろぐが、踏破してみたい身震いするほどの勇気も湧いてくる。書いた人も居られるんだから、読むくらいはしなくちゃ、と思う。
その入口の理解に先ず『ちょっと本気な 千夜千冊 虎の巻 読書術免許皆伝』を読んだ。知の世界に遊ばされている自分にこの間ずっと至福を感じた。こういう人と同時代に生きて同じ国に住み同じ大気を吸っているという幸せに酔うほどの知の拡がりの中での遊弋を楽しんだ。何という素晴らしく凄い方なんだろう。ここには、私たちがその気にさえなれば、いつからでもどこからでも辿れる知の宝の山が、私らの眼前にふんだんにあるということを教えてくれる。これを使わせてもらわない手はない。いざ知の世界へ旅立たん!
【岡潔『春風夏雨』】sachiko note・23歳・学生(2009年10月22日)
科学者のエッセーが好きで、色々と読み始めたところです。数学者岡潔の鋭く、かつ感情豊かに当時の日本を見つめたこのエッセーは、とても40年前のものとは思えないほど現代とリンクすることばかりで、最後まで読者を飽きさせない1冊だと思います。
【『笑顔でいたい 子どもは親を選べない』川浪唯著】札幌市・39歳・主婦(2009年10月15日)
衝動的に殺傷してしまう家族間の痛ましい事件が絶えません。何が原因なのか?どうやって生きればよいのか?本の中に生きるヒントがあると思いました。感動の中に自分自身の生き方、人との結びつきも見つめ直したくなる、意味深く優しさの伝わる本でした。
【『白川静 漢字の世界観』を読みながら】芋蓮斎・徳島市・68歳・無職(2009年10月5日)
人は人に会い、人は本に会う。本からその著者に会えれば、それは幸せな人生と言わざるを得ない。松岡正剛氏の『白川静 漢字の世界観』を読みながら、そのことをひしひしと感じた。私は松岡氏に負けぬくらい若いころからの白川先生ファンでした。漢字学の研究活動は言わずもがな、その過程で産み出された数々のご著書が全て、私の貧しい知の既得庫を根底から揺さぶり続けて来ました。
私にとって『孔子伝』は、東洋学の構造を組み替えた。孔子が荘子に連なるのではないかという論理展開には説得力があった。神亀に祀られることを嫌がったのは、荘周だけではなかったに違いない。孔子もまた。金持ちでは学問研究はできない、と白川氏は言われる。豊かでは、知への闘争心も鈍るのだろうか。 国技の相撲のモンゴル勢の大活躍などを見ると自得する。学問研究にも、その核心に何かへの止み難い飢えが宿るのだろう。その飢えに深さのない著作は、ワサビ抜きの握りみたいな気がする。訴求力が弱いのである。『文字遊心』『文字逍遙』の二著も忘れられない。人は一つのことを究めれば、そしてそれを少しずらせば、これほどの深く広い思想や哲学にも辿り着けるのだ!という底力を見せつけられた。
当世の知の巨人の吉本隆明氏は白川静を「遠望する」と言っておられる。『千夜千冊』を仕上げてなお書き継いでいるこれもまた知の巨人の松岡正剛氏は、白川静に心酔しておられる。偉大なる知性は、その専攻分野など関係なく、究めて行けば、どこかで必ず出会うものなのであろう。この羨望を感じるほどの人と人との密なる無償の関係の高潔。現代の日本の今に生きていて、彼らの本を読むことの至福至悦を味わわせてもらっている。ただ感謝あるのみです。ありがとうございます。
【政治家に読ませたい本】望太・東京都・61歳(2009年9月14日)
新政権発足に向けて閣僚人事が巷を騒がせています。社民党党首、国民新党代表が閣僚ポストに注文をつけ、民主党内においても入閣を期待する議員が多いと聞いております。
そんな政治家に読んで欲しい本があります。既にご存知の方もおられると思いますが、それは「真田騒動」(池波正太郎著)です。そこに登場する恩田木工は、藩の実権を握る執政に任命された折に、恩恵にあずかれると期待して駆けつけた親族一同に対して義絶を提案しました。当時財政難にあえぐ松代真田藩を立て直すために、恩田木工は真っ先に自らの周辺から行いを正し、質素、倹約を実行することを求めたのです。
閣僚ポストにつくということは国政の中枢を担うことを意味します。ただし、そのためには地域や業界の利益代表の立場は封印しなければいけません。地元後援会に便宜を計らうようなことは国の大臣の仕事ではありません。公務員制度改革を掲げる新政権における各省庁の大臣は、常に次官以下の官僚の動きを監視して、旧政権下で生じた歪みを是正していく大きな責任を負わされます。
もちろん小説の中の話で、ただの理想論かも知れません。しかし、閣僚ポストにつくことは茨の道への挑戦であることをこれからの政治家に覚悟して貰いたいのです。
【『伝説の日中文化サロン 上海・内山書店』】松原 楓・東京都清瀬市・68歳・無職(2009年9月14日)
書評で紹介されていて心の琴線に触れるものがあった。期待に違わず私は読んでいて内山完造氏と書店の雰囲気に魅了されてしまった。素晴らしい文化サロンが目に浮かぶ。10月私は上海に行ってくる。日中文化交流に尽くされた多くの著名人がいた街とその界隈を散策してきます。
【罪を知るとはどういうことか】驟雨・東京都・大学生(2009年9月8日)
朝日・読売で書評のあった美達大和著『人を殺すとはどういうことか』を今更ながら読了しました。
人間は、自分で「罪」と規定した事を敢えて為しうるほど、強靭ではないでしょう。逆に言えば、為した事を「罪」と認める事は非常な苦痛であるはずです。そう考えると、本書に登場する服役囚が、反省する気配さえ見せないのは自然な事なのかもしれません。しかし、検察の陳述で己の罪を痛感した著者の場合を考えると、何か方法はありそうです。被害者の役を演じさせて罪を実感させるという米国の例を聞いた事がありますが、同様の手法はとれないものでしょうか。服役囚が反省しない事は、被害者にも、社会にも、そして服役囚自身にも良い事ではありますまい。
折しも四件目の裁判員裁判、そして足利事件の再審も始まります。刑罰の実情を知る為にも、御一読あれ。
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