書評

書評

わたしの書棚

<兵藤ゆきさんが語るおすすめ本>『母子関係の心理学』 依田明著

 家族3人での11年に渡るニューヨーク生活から帰国し、生活の拠点を日本に移されたタレントの兵藤ゆきさん。兵藤さんが選んだ一冊は子育てを応援する一冊でした。

◆出産って、思ったより大変!

 子どもはもう13歳になりましたが、やはり女性にとって、出産って大変ですよ。
 私の子の場合、生まれるまでは順調そのものでしたし、私より先に出産した芸能界のお友達の話を聞いても、全く心配ないっていうし…。うちで飼っていた犬や猫も何匹も子どもを生んでもケロッとしているものですから、簡単に考えていたんです(笑)。仕事も、「大丈夫です! すぐ復帰できます!」なんて宣言していたんですけど、とにかく生まれたばかりの頃って、2時間おきくらいに授乳しなければならない。3時間だって続けて寝られないんですから、もう極度の睡眠不足で、フラフラ状態。出産して2か月後にはレギュラーの仕事が入っていたので、仕事場にベビーベットを入れてもらったりして、頑張ったんですけど、もうヘトヘトでした。
 ちょうどその頃、『徹子の部屋』に出演させていただいたら、黒柳さんに「あら、あなたずいぶん目尻のシワが増えたんじゃない?」って言われるぐらいで(笑)。

◆目からウロコだった『母子関係の心理学』

 そんな仕事と子育てを両立させるのに必死だった頃に出会ったのが、『母子関係の心理学』(依田明著)という本です。これはもうどこを読んでもなるほど~と思うことばかりで、ここをチェック、ここチェックってやっていくうちに全ページ折りまくり、って感じ(笑)。
 発達心理学を専門にしている東大の先生が書いた本なんですけど、特に納得って思ったのが「人間の子どもは生理的早産である」という話です。犬や猫、牛や馬といったほかの哺乳動物は、お母さんのお腹の中で充分成長して生まれてきますから、すぐに立って自分で歩いたりできるわけです。
 それに比べ、人間の赤ちゃんがずいぶん未熟な状態で生まれてくるのはなぜか、という話なんです。たとえば、人間と近いゴリラは、親の体重200キロに対し、赤ちゃんの体重は約2キロなんだそうですが、人間は親の体重が50キロでも、赤ちゃんは約3キロにもなる。とんでもなく重い上に、人間はゴリラと違って2足歩行をする。本来はもう一年お腹の中にいなければいけないのに、赤ちゃんの重さに耐え切れなくなって、早く生まれてくるという話なんです。
 これは、あくまでもスイスの動物学者ボルトマンという人が説いている仮説なんですけど、その話を読んだときに、「ああ、そうか、この子はもう一年お腹の中にいたかったんだ」って思って、目からウロコっていうか、子育ての覚悟が決まったんです。生まれたらあとはサクサクってできるなんて思った私がゴメンナサイって感じでした。

◆発達心理学の本で親になるための勉強

 子育てって、子どもが生まれたら自然に親としてうまくできるようになるんじゃないかと思っていましたけど、そうじゃないんだってことがよくわかりました。それからも、ボルトマンはじめ、ピアジェ、E・Hエリクソンなど発達心理学の本を随分読みました。親になるってやっぱり勉強しなきゃいけないんだ、学習しなければいけないんだっていうのを痛感しましたね。昔の人はどうだったかっていうと、周りに子育ての先輩がたくさんいて、そういう人たちにいろいろ聞いたり教わったりして、やっぱりいろいろ学習していたんでしょうね。

このページの先頭へ

>>「わたしの書棚」一覧ページへ

ご購読のお申し込み

ブログパーツ

あらたにす便り