【曽根】 第2回目の討論は、鳩山さんのスピーチを踏まえて、麻生さんが鳩山さんに質問する形式で行います。
それでは、麻生さん、どうぞ。
【麻生】 それでは、私のほうから質問させていただきたいと存じます。民主党の財源なきばらまき政策についてです。
子ども手当に5兆円、高速道路無料化に2兆円、農家の戸別補償に1兆円、こう言っておられます。その財源は予算を組み替えると何兆円か出てくるという話は、極めて無責任ではないかと。子ども手当の財源として、配偶者控除、また扶養控除の廃止などを挙げておられますが、少なくとも仮にこれ全部削ったとしても1.4兆円にしかならないと思っております。
結局、子供のいない家庭にその負担が押しつけられる。もしくは、子供の世代に借金を回すだけになるのではないかと。そういう意味では、こういうようなばらまきを毎年続けていくのは不可能だと思いますので、私どもとしては、とても納得できるところではありません。財源なきばらまきということに関しては無責任と思っておりますが、その点はいかがでしょうか。
【鳩山】 私は、全くこの財源に関しては心配しておりません。新しい政権ができたら、当然のことながら、予算は総とっかえしなければならない、組み替えるわけでございます。その中で、この政権にとって優先度の高い仕事は必ず確保させてもらうということでございます。優先度の低い事業に関しては、例えばダムとか、やめなきゃならないさまざまな不要不急の事業があると思いますが、そういったものをやめさせてもらう、あるいは、次年度以降のものにさせていただくということを考えていきたい。
無駄遣いをなくすのにそんなにお金が出ないんじゃないかという批判をしばしばいただくわけでございますが、そうではありません。天下り・渡りをなくします。そこに使われていく、いわゆる天下り先に対する予算も大幅に削っていくわけでございます。官製談合もなくします。随意契約もやめさせます。私どもは9.1兆円ということを約束しているところでありますが、このようなことを行うことによって十分賄うことができると思っております。
あと、子ども手当に関して、子供のいないご家庭に関しては増税になるのではないかという話があります。65歳以上の方には、公的年金の控除などを拡充することによってむしろ増えることになっておりまして、心配はありません。しかし、お子さんのいない65歳以下のご家庭で、専業主婦のご家庭においては平均して月1,400円程度増税になるということが計算されております。申しわけないと思っておりますが、そこは、社会全体で子供を養う、はぐくむという考え方にしていかなければ、私ども、少子化対策というものを打ち出すことができないと思っておりますので、ご理解をいただけるものだと考えております。
【麻生】 1,400円というお話で、残りの5兆4,000億円の分が賄えるだろうか、ちょっと数字としていかがなものかなとまず基本的に思いますので、いずれ明細を教えていただければと思います。
まず、行政の無駄を排除するのは当たり前です。私ども政府・与党、今年度も約1兆円近くの経費の見直しを行ったところでもあります。今、民主党が振れば出てくるようなお話ですけれども、切ると言っておられるものの中に補助金があります。この補助金の内容というのは、ご存じの方も多かろうと思いますが、社会保障費と地方交付税だけで約40兆円あるんですよ。残り10兆円の半分が多分教育費だと思います。これを切るのは、弱者いじめ、地方いじめ以外の何ものでもないんじゃないですかね。
公務員の人件費2割削減という話もありました。国家公務員なり公務員の首を切るのか、また給与を2割削減されるのか。それとも、単に地方へ移すだけというのならば、これは解決策にはならないのではありませんか。公務員の労働組合の支援を大変受けておられる民主党という政党にとって、それは果たしてできるんでしょうか、ぜひ伺わせていただきたいところだと思います。
【鳩山】 十分にできます。
私どもは、これはまず、こちらには企業の方もおられると思いますが、企業経営が大変厳しい状況になっていると。そういうときに、1割、ぜひ無駄をなくそうじゃないかと、努力をすれば、1割ぐらいの経費を削減することは、現実問題として十分考えられる話でございます。
私どもは207兆円という一般会計と特別会計合わせた予算、これを1つにしまして、その207兆円の中で、確かに社会保障とか、あるいは国債の償還のお金とか、こういったもので残りが70兆と踏んでおります。この70兆円の中を事業仕分けでしっかりと精査をしたいと、そのように考えております。
事業仕分けをしっかり行えば、このまま国がやっぱりやるべき事業も当然たくさんあると思います。しかし、国がやるべきではない、やめるべき事業もたくさんある。あるいは地方自治体に任せていいというものもたくさんある。あるいは民間でやろうじゃないかという事業もたくさんある。こういった仕分けを、これから政権に入ったら、しっかりと行うということでございまして、我々が事前にサンプル調査を行ったところによると、事業仕分けで26%無駄があるということが判断されておりまして、70兆のうちの26%、そこまで行かないとしても、10兆から15兆のお金を、基本的には、我々の算段では、試算では9.1兆円まではそれでできると、そのように考えているところでございます。
その以降の部分に関しては、いわゆる最初、政府・与党がないとおっしゃっていた埋蔵金を使わせていただくとか、あるいは政府資産、これは相当あると伺っておりますが、その政府資産を売却するようなことなどの手当てをしていきたい。さっき申し上げたような税の税制改正ということでも、若干の、2兆円余りのお金を見出すことができると思っておりまして、全体として16兆8,000億円、優先順位の高い仕事を行うための財源というものを我々は見出すことができると、そのように考えております。
【麻生】 207兆円とよく言われますが、そのうち今申し上げましたように補助金というものが49兆。その補助金の中身は一部申し上げました。また、借金の返済約80兆、また年金・医療関係で47兆、そういったようなものをずっと積み上げていって、その内容をどうやって精査すれば、それだけのお金が絞り出せるのか、私どもは、ぜひ、その手口を教えていただければと思っております。
少なくともそんな簡単に出てくるはずのものはありませんし、ぜひそういった意味を、我々もそれなりに一生懸命調べて、毎年2,200億円の問題を、2,200億円、社会保障の話です、社会保障関係を、いろいろ問題はあったと思いますが、これをやらせていただきましたけれども、限度に来たと、そう思って、今年からこれをやめさせていただいております。毎年1兆円増えます。これに対応するためには、私どもは中福祉というものをやろうと思えば、中負担が要るんだと思っております。したがって、自民党は景気回復後に消費税の引き上げをとお願いしておりますが、消費税はすべて社会保障関係と少子化対策などに充てる。役人の無駄遣いに1円たりとも使うつもりはありません。
民主党は、今後大きく増加するであろう社会保障関係の経費に、消費税を上げずに、どう対応されるおつもりなのか、お聞かせいただければと存じます。
【鳩山】 まずその前に、役人の無駄遣いに1銭も使わないとおっしゃりながら、補正予算でほとんどが役人の無駄遣いのところにお使いになると。4兆4,000億円を基金に積んで、結局それも官僚の皆さんに使わせると。アニメの殿堂のような話もあります。それがおわかりになっているのに、役人の無駄遣いをさせないなどというようなことをおっしゃるのか、私にはよくわかりません。
私ども、ご案内のとおり、先ほどもちらっと申し上げましたけれども、消費税というものを、いつまでたっても上げないで済むという日本ではないということは十分に認識をしております。しかし、現在の経済状況を考えたときに、さらに私どもが消費税をどのようなところに充当させようかと考えていることを思えば、今、消費税をアップさせるという必要性に駆られないということでございます。
すなわち、年金。私どもは、いわゆる年金を一元化すると、最低保障年金の部分と所得比例年金の部分というふうに分けるわけでありますが、最低保障、すなわち、ある程度以上の所得の方にはご遠慮いただくわけでありますが、所得が少ない方に対して最低保障をいたしたいと考えております。そのための財源として消費税を充てたいと考えております。それを全部移行させていくためには、正直言うと40年かかりますが、40年を半分ぐらいの20年に縮めるとしたとしても、20年かけて徐々に移行させていくわけでありますから、1年1年における消費税の負担がぐっと増えるということになるわけではありません。結果として、この数年、少なくとも、私どもが政権を担わせていただく4年間の間、消費税の増税をする必要がないと、経済的にもその必要は感じないということを申し上げているのでございます。
【麻生】 最低保障年金を全額税方式にすると、難しい言葉で言うと、そういうことを言っておられるんだと存じます。私どもは全額税方式に今40年、まあ、大幅に切って20年でというお話もあっていますが、いずれにしても、今そんな悠長なことを言っていられるような状況かと。3分の1から2分の1に引き上げるのにすら反対されたのは民主党ではありませんでしたか。少なくとも全額税方式というものを今のように40年かかる、何十年かかるというんだったら、無年金、低年金で苦しんでおられる方々というものに対応することは全くならないんだと、私どもはそう見えます。
また、現在の消費税収入というものは13兆ですよ。13兆。国の取り分が7兆。基礎年金の給付は年額20兆。年金給付を大幅にカットするんですか。そんなことはできないでしょう。消費税率をよほど上げない限りは全額税方式は実現できないんだと思うんです。そういう意味では、なぜそれならば、あの2分の1に上げると、国庫負担を2分の1に上げるのに反対されたのか、私は主張が矛盾しておられると存じますが。
【鳩山】 そのことはですね、3分の1から2分の1に上げる税源を何にするか、財源を何にするかと、それを国民の皆さんには消費税のアップで賄うということを約束した政府が、結局、消費税を上げることが間に合わなくなって、他のいわゆる借金で賄うというようなことを、こそくな手段をとるものですから、私どもは反対したわけでありまして、そこは趣旨が違うということをご理解を願いたい。
そもそも私どもは、この消費税によって基礎年金、私どもは最低保障年金、姿はちょっと違いますが、それを消費税で賄うことはうたっているものですから、その方向性が間違っているということを申し上げたわけではありません。財源として借金をお使いになることに対して、私どもは反対したと明言しておきます。
【麻生】 消費税で全額賄えるというようなことにはなかなかならないんだと、今、申し上げたばっかりです。13兆円にしかならないのですから、その分は20兆円、基礎年金だけで要るんですよと、それに移行するのに40年かけてやられるというような間、低年金、無年金の方々をどうやってやるのかという点が全く見えてこない、もしくはそこを隠ぺいしておられるのか、さわってほしくないのか、そこをはっきりさせていただかないと、極めて無責任なことになりかねないのではありませんか。
【鳩山】 私が申し上げたのは、例えば20年とすれば20分の1ずつ、結果として移行を申し上げるということでございます。20年かけて最終的に最低保障年金は全額税方式ということになるわけであります。当然、そのときには消費税の増税の議論は不可避であることは言うまでもありません。しかし、だからといって、最初の5年、あるいは10年ぐらいの間に必然的に上げなければならないという環境になると、必ずしもそう考えていないということであります。
【麻生】 計算の基礎をよく示していただかないと、これはなかなか理解はされない。今のお話では、私どもの話では……。
【鳩山】 それまでは……。
【麻生】 発言中は、ちょっととめておいてください。
【鳩山】 すいません。
【麻生】 この種の話をさせていただくに当たって、少なくとも言うだけではだめなんであって、現実を見せていただかないと、なかなか……。今の全額税方式という話は、私も考えないわけではなかったんですよ、発表したぐらいですから。しかし、私どもは、なかなかそれは難しいという現実というものも、他国の話やら、読売方式やら、スウェーデン方式やら、いろいろ勉強させていただいた上で、今の話をさせていただいております。
ところで、私ども、もう一点、景気回復というものについて伺いたいんですが、民主党の経済の成長政策というのがよく見えないんで、お金を配るところはよく書いてあります。しかし、成長して、経済のパイを大きくして、その上で配分を考えるというのが我々の考えなんであって、低炭素革命であり、健康長寿社会であってみたり、日本の魅力発揮、いろいろな戦略分野で集中投資、また大胆な制度改革というのをやっていこうと思っているんですが、民主党の話を伺っていると環境至上主義みたいに見えるんですが、環境の問題で、いわゆる削減率のパーセントの話やら何やらは、えらく数字の上だけが踊っておられるように見えますし、また、製造業の派遣の全面禁止等々は派遣労働者が職を失うことにもなりかねないと思っておりますが、そういう経済成長戦略については、いかがお考えでしょうか。
【鳩山】 私どもは立場が若干違うところがございます。それは、当然のことながらパイを増やすということも必要でありますが、今一番大事なことは内需を拡大させる、それは家計を刺激するということが一番大事だということで、高速道路の無料化とか、あるいは暫定税率とか、あるいは子ども手当、農業に対する戸別所得補償、こういったことを行うことによって家計を潤し、結果として、消費購買力を高めて、内需を拡大して、経済をよくするという方向が一つあると思っています。
ただ、それだけで十分ではないということも私どもは理解をしておりまして、それに対して私は、個人的に「陸・海・空」だと、こう申し上げております。
陸の部分というのは、いわゆる農業というのは新しい成長産業でありまして、バイオなどを駆使して成長産業に仕立て上げるということが極めて肝要だと、そのように思っております。また、ナノテクロノジーとかさまざま、あるいは光通信ニューディール政策などというものも大変関心の高いものだと感じております。
海は海。日本は海洋国でありますだけに、海底資源、あるいは海洋資源というものを開発することによって、資源が極めて乏しい国だと言われていた日本が、むしろ資源は豊かな国なんだというイメージをつくることが現実に可能だと思っておりまして、そのために海洋資源開発というものにもっと力を入れることが大事ではないかと。
空の部分というのは、太陽パネルなどの太陽のエネルギーなどを十分にいただくということも一つあると思いますが、航空宇宙産業、これは世界の中で日本が航空宇宙産業が必ずしも進んでいるとは思いません。しかし、だからこそ、すそ野が広い、大変魅力的な分野であることも事実でありまして、こういったところに力を入れると。ある意味で、幾つかの拠点に大きな力を注ぎ込んで成長産業を育成するということも、あわせて私ども行ってまいりたいと思っております。
【麻生】 成長戦略と言うんであれば、我々は、今言われたことは、ほとんど今の予算の中で対策がかなりの部分終わった、もしくは進んだ部分だと思っております。
例えば、今言われたものの中で言わせていただければ、先端科学技術に2,700億のものを、単年度ではなくて長期にわたって研究費を支援しますということで、多くの懸案というものが上がって、既に来ております。海の中に関しましても同様であります。太陽熱等々はもちろんのこと、これによって日本の太陽熱発電というものを今より10倍と思っておりましたが、20倍まで増やせるということによって、少なくともCOP15と言われます、あのデンマークでの会議までに、これを目標達成をきっちりした数字であらわしていきたいと思っておりますが、今言われたようなものの中で伺いますけれども、環境税の話にしても、これは多分、石油税の話をしておられるんだと思いますが、石油税の話にしても、高速道路の無料化の話も言われましたけれども、こういったものは高速道路に車が走る率が増える。石油税が安くなれば石油が安くなった分だけ石油の消費量は増える。環境には悪くなるという話と、環境に極めて厳しい、少なくとも今より25%、35%減らします。それは各ご家庭に関しては月3万円以上の負担がかかりますという計算をご存じの上であの種の話をしておられるのと、かなり矛盾すると思いますが、その点はいかがですか。
【鳩山】 私は昨年の環境サミット、洞爺湖、私の選挙区で行われたわけですが、その環境サミットにおきまして、東京から電気自動車で洞爺湖まで行かれた方の話を伺いました。幾らかかったのと、電気自動車の電気代が800円だということでございました。私は石油に代替するエネルギーとして、やはりこれから電気とか、水素とか、そういったものをもっと可及的速やかに実用に向けて行動する時が来ているのではないかと思います。
確かに一面で、車が、高速道路がただになれば、もっと高速道路が渋滞するという話もあるかもしれません。あるいは結果としてCO2の発生が増えるという話もあるかもしれません。しかし、基本的に、ほかの道路を使っている方が、これからは車を、高速道路を使うということになるわけでありまして、それほど私はそのことによって石油の使用量ががくっと増えるということにはならないと、さまざまな計算をしてもそのようなことが言われているわけでございまして、いわゆる科学的な弾力性の、弾性の問題もその意味で申し上げているわけでありますから、必ずしもCO2に対して大きな悪影響を及ぼすということではありません。
加えて、環境税なども我々として視野に入れてまいりたいと思っておりまして、ただ一方では、暫定税率は、やはりこのような形で一般財源化をされた以上、暫定税率の意味が失われているわけでありますから、即刻廃止をすべきだということを重ねて申し上げておきたいと思います。
【麻生】 今のお話で、石油の暫定税率の話というのは極めて大きな要素を持っております。これは地方にとりましても、いろんな意味で大きいと思いますが、今のお話で、片一方は石油は安くします、高速道路はどんどん使えるようにします、環境の点については厳しくしますというのは、なかなか難しい話だと。現実問題としては、私ども難しいと思っております点を重ねて申し上げておきます。
民主党は、北朝鮮の貨物検査法、これを審議せずに廃案に追い込まれました。これは日本が主導した北朝鮮の経済制裁のための国連決議というものを実施するためのものであります。喜んだのは、多分、北朝鮮だけだと思いますが。海上自衛隊によるアフガニスタンのテロ支援も、これも憲法違反とか言われましたし、また、ソマリア沖で海賊から日本船を護衛するというのも国会で反対をしておられたと存じます。ところが、今は何となく立場が明確ではないような感じで、当分はいいという話をしておられるように感じられますが、安全保障政策というものは国家の最も基本中の基本の政策だと存じます。この安全保障政策というものが少なくともまとめられない、まとまらないというのは日本の安全というものを考えたときにおいては極めて問題だと思いますが、その点はいかがでしょうか。
【鳩山】 幾つかお答えしたいと思います。
まず、事実認識の問題でありますが、麻生総理との党首討論におきまして、私のほうから、むしろ北朝鮮の問題、これ大変重大な問題であるから、貨物検査、早く、我々も協力するからやってくださいということを申し上げたはずです。そのことは、よもやお忘れになっておられないと思います。現実、それから相当、3週間か4週間かかって、ようやく法案ができて、その直後に、いわゆる不信任案から問責決議案、さらには麻生総理が解散を宣言されたわけでありまして、その経緯の中で、結局、最終的に日の目を見なかったということでありまして、私どもは、貨物検査に関しては、これから政権をとっても、進めていきたいと思っておるところでございます。北朝鮮には断固とした措置をとることが望まれていると、そのことをまず申し上げておきます。
それから、給油の問題に関しては、私どもはこれがほんとうに、アメリカやパキスタン、石油をただでもらっている国からすれば、ありがたい話だということであるかもしれませんが、月に数回しか行われていないような給油活動、ほんとうにそれがアフガニスタンの平和に対して資するものであるのかということをいつも疑問に思っておりました。私がかつてアフガニスタンに参ったときにも、空を飛んでいるこの飛行機、ひょっとしたら日本の給油で行っているのかなと思ったこともあったぐらいでございますが、空爆機でありましたが、そのようなことに使われていないかどうかという確認がなかなかなされていない。あるいはイラクにも使われているかもしれない。むしろ、そういうことよりもほんとうにアフガニスタン、カルザイ大統領にも喜ばれるような日本の支援策というものがあるんじゃないかということを常々申し上げているものですから、このことに関して、私どもとすれば、給油支援に関しては、単純に延長することは考えていないということであります。
海賊船に関しても一言だけ申し上げておきますが、決して反対をしておりません。ただ、本来、海上保安庁が中心に行うものではないかということでありますが、自衛隊を使うことに関しても我々は反対をしておりません。
【麻生】 1万2,000キロ離れたアフガニスタンというところ、アフガニスタンじゃなかった、ソマリア沖に送るのに、海上保安庁の船でどうやって物理的にやれるんだろうか。交代もありますよ。それを考えて海上自衛隊の船を派遣する。海上保安庁の職員を乗せてと。極めて現実的な選択だったと思っております。
また、アフガニスタンに関しては、テロリストの資金源になっております麻薬の輸入・輸出というものに関して、我々はこれを断固阻止すべきということで、各国は海軍、艦船を送っている。それの補給をやっている。高い評価というのを得ております。これを中止するという選択は、基本的にあり得ないんだと思っております。
アフガニスタンというもので、文民支援ということを言っておられるんでしょうが、少なくともアフガニスタンの警察官の給与の半分は日本が払っているということをご存じの上で言っておられるんだと思います。そういったことを1つずつやって、極めてアフガニスタンからの評価も高い、そういった我々の支援というものをやった上で、なおかつ期待されているんであって、海上補給というものは日本の責任でできます数少ない現実的な対応なんだと思っております。したがって、各国からの評価も極めて高いものをいただいていると、私どもはそう思っておりますので、安全保障という問題に関しましては極めて重要な問題なんであって、この点に関しましては、ぜひ双方での利害というものを一致させておくということは、今後とも大事なことなんだと思っております。
【鳩山】 おっしゃるとおり、外交安全保障というのはやっぱり国家の基本的なマターであります。そのことは理解をしております。相手がある話でもあります。したがって、政権をとったらすぐにすべてを変えるみたいな発想を持つつもりはありません。継続性というものも重要だということも認識をしております。そのような中で、私どもも現実的な対応をしていこうではないかということを申し合わせているところでございます。
麻薬に関して、果たして海上が……、海上経路よりもはるかに陸上経路のほうが現実的で圧倒的に多いんではないかとも思っておりますので、果たしてどこまで意味があるのかという思いは私からは消えておりませんし、また、ソマリアの問題に関しては、ですから海上保安庁が望まれていると。現実にフランスに海上保安庁の船が行き来したこともあるわけですから、不可能ではないわけでありますが、将来的な問題として、現在、自衛隊の船が行くことに対して、私どもも反対しているわけでもございません。
また、アフガニスタンに、警察官の給料の半分は日本が出していることは大変好まれているということは伺っているわけでありまして、そういった分野で民生支援、あるいはネーションビルディング――国家の建設とか、貧困の解消とか、こういうことに対して、もっとポジティブな形で日本が役割を具体的にアフガニスタンに果たすことができるんじゃないかと。私が2度ほどアフガニスタンに参ったときにも、カルザイ大統領からは、給油のことに関してはご存じなかったということが現実にありました。それだけに、私どもとして、アフガニスタンのほんとうに大事な支援の仕方を考えていくべきときだと、テロとの戦いの中で、そう申し上げておきたいと思います。